【2022年版】オーストラリアのクレジットカード事情
クレジットカードと言えば海外旅行には外せない必須アイテムのひとつですね。
たくさんの現金を持ち歩くことによる盗難、紛失のリスクも減らせ、且つお手軽にショッピングが楽しめます。
世界的なコロナウィルスの蔓延以降、オーストラリアでは現金の授受をしないキャッシュレスの流れにますます拍車が掛かっています。
そこで今回はオーストラリアでのクレジットカード事情について解説していきます。
国際ブランドの利用の可否
但し、利用可能店舗数世界第一位のVISAカード、第二位のMASTERカードは屋台や路線バス車内などを除くほとんどの店舗で利用が可能ですが、日本発の国際ブランドJCBカードや世界初のクレジットカードとして知られる利用可能店舗数第六位のDiners Clubカードは、オーストラリア内では利用できる店舗が限られています。
また、AMEXカードやJCBカードはクレジットカードの決済手数料が掛かることが多いようです。
クレジットカードの決済手数料
日本では国際ブランド各社やカード発行会社が提示する「加盟店規約」によって、クレジットカードの決済手数料は店舗側が負担するよう定められています。
クレジットカードでの購入者が現金による購入者より高額の代金を支払うことがないよう決済手数料を購入者に負担させることは禁止されています。
参照:独立行政法人 国民生活センター:相談事例・判例
加盟店規約一例:
しかし、オーストラリアはsurcharge(サーチャージ)と呼ばれるクレジットカード手数料 を客側に請求してもいいという法律があるため、この手数料が代金に上乗せされることが多いです。
このサーチャージに含まれるのは以下のような費用です。
・国際ブランドからの決済手数料
・クレジットカード読み取り機のレンタル代金等
・クレジットカード決済に関わる越境決済費用、不正クレジットカードに関わる引き落とし不可の場合の銀行手数料等すべて
・決済サービス業者への仲介料
・不正クレジットカード防止の為の外部サービス利用費用
・商品先渡しのリスクを保証する費用
決済手数料が他国際ブランドと比べて高いAMEXカード、JCBカード、Diners Clubカードの利用に対して特にサーチャージを請求されることが多くあります。
但し、もちろんAMEXカード、JCBカード、Diners Clubカードの利用に対しても高額な決済手数料を請求することは禁じられており、先述のサーチャージに含めてもよい費用の実費分だけを商品代金に上乗せすることができます。
参照:Australian Competition & Consumer Commission (オーストラリアの消費者センター)Payment Surcharge(カード手数料)
国際ブランドの海外での利用に対しては、各国際ブランドが設定している円換算レートに、各クレジットカード発行会社によって、海外利用に伴うコストとして事務手数料が加算されます。
この事務手数料は各カード発行会社や国際ブランドごとにレートが異なります。
たとえ利用額が少額であっても、頻繁にレートが変動する通貨間での決済となると、カード発行会社ではさまざまな処理が発生し、コストがかかります。
海外事務手数料はそれらを補うための手数料です。
「一括払い」「リボ払い」「回数指定」
その後、クレジットカード会社により月末で利用額が締められ、翌月の15日前後に指定の銀行口座より引き落としがされます。
「署名」それとも「暗証番号」?
また、オーストラリアではタッチ決済も普及しています。
クレジットカードの中でも特に利用可能店舗数が多い、VISAカードのpayWaveやMaster カードのPayPassなどNFC規格(非接触型決済対応)のクレジットカードをご持参されることをお勧めいたします。
タッチ決済の場合、少額の支払いであればPINナンバーの入力が必要ないケースがほとんどです。
「タッチ決済」?「Tap and Go」?
このTap and Goを広く浸透させたきっかけは、オーストラリアの二大スーパー、Coles(コールス)とWoolworths(ウールワース)がそろって2011年にその導入を開始したことでしょう。
A$100ドル以下の買い物であればPINナンバーの入力も不要。
NFC規格クレジットカードを専用の読み取り機にかざすだけで決済が完了します。
タッチ決済の普及を受け、オーストラリアでの現金使用率は2007年の69%から、2016年には37%まで減少していることがオーストラリア準備銀行(Reserve Bank of Australia)の調査報告書からわかっています。
データ:オーストラリア準備銀行(Reserve Bank of Australia)の調査報告書
また、野村総合研究所による国別のキャッシュレス比率を見ると2016年にオーストラリアは59.1%で世界第三位(中国除く)、対して現金志向が強いと言われる日本は19.8%で世界第十位に留まっています。
データ:野村総合研究所キャッシュレス化推進に向けた国内外の現状認識
さらにタッチ決済(非接触決済)の普及率ではオーストラリアは他の先進国に先んじてトップを走っています。
参照: Westpac銀行による調査
2017年に発表されたVISAカードの調査によると、世界100都市のうち、最もキャッシュレス化が進んでいるトップ9にシドニーとキャンベラがランクインしています。
参照: シドニー・モーニングヘラルド紙によるVISAカードの調査記事
世界的なコロナウィルスの蔓延以降、店舗スタッフと購入者の接触を避ける動きが広まり、現金の受け渡しや店舗スタッフがクレジットカードを預かって磁気ストライプをスワイプする行為が敬遠されてきています。
ここ最近は、店頭で購入者がNFC規格(非接触型決済対応)のクレジットカードでの支払いを求められるケースが増えてきました。
従来の「クレジットカード、使えますか?」という質問とは逆に、「現金で支払いができますか?」と店舗スタッフへ尋ねなければいけない場面も増えてきています。
スマホ決済システム
グーグル・ペイ (Google Pay)
スマホ携帯電話のアンドロイド端末で利用できるスマホ決済システムです。
オーストラリアではVISAカードのタッチ決済の表示があるクレジットカード決済端末ではこのGoogle Payが利用できます。
アップル・ペイ (Apple Pay)
iPhoneやApple Watchで利用できるスマホ決済システムです。
オーストラリアではApple PayやTap and Goの表示があるクレジットカード決済端末でこのApple Payが利用できます。
サムスン・ペイ (Samsung Pay)
SamsungのGalaxyなどの人気スマホ機種に標準装備されたスマホ決済システムです。
Google PayやApple Payが使える店舗では同様にこのSamsung Payが利用できます。
クレジットカードとチップ
会計時、請求明細の用紙にチップの額を記入する欄を設けている場合があります。
必ず払わなければいけないものではありませんが、食事を楽しむことができたと接客スタッフへの評価として心ばかりのチップを書き入れるのはスマートなマナーです。
クレジットカードによるタッチ決済の場合、このチップを含んだ金額がクレジットカード決済端末に表示されますので、金額を確認の上、決済を済ませましょう。
公共交通機関とクレジットカード
2019年9月には正式に使用が可能となったため都市部から徐々にタッチ式決済への移行が進んでいます。
クレジットカードのメリット
そうした対策を講じたうえで、大きなメリットとなるのがまず、オーストラリアではクレジットカードが身分証明の役目を果たすということです。
日本では運転免許証やパスポートしか身分証明として使えませんが、オーストラリアでは簡易的な身分照会の場合、クレジットカードで身分証明することが可能です。
また、海外旅行と言えば海外旅行保険への加入は忘れてはいけないポイントですが、クレジットカードの多くは海外旅行保険が自動付帯されています。
補償対象や補償金額はクレジットカードによって異なる為、事前の確認が必要ですが、旅行の度に海外旅行保険に加入しなおすという煩わしい手続きから解放されます。
万が一、海外旅行保険のことを忘れていたとしても安心ですね。
アフターペイ
実際の店舗でアフターペイを利用する場合、 アフターペイのwebサイトなどでその店舗がアフターペイ利用可能であるか事前に確認します。
その後、スマホに アフターペイのアプリをインストール、ご自身のアカウントを開設します。
ショッピングの会計時にスマホからご自身のバーコードを表示、店舗スタッフにスキャンしてもらいます。
店舗での初回の支払いは、商品代金を4分割した一回分となります。
その場で商品を受け取りますが、残りの支払いはその後、2週間ごとに4分割された代金を支払っていきます。
毎回、支払期日までにクレジットカード自動引き落としなどで支払いを完了すれば余計な利息や手数料が請求されることもありません。
逆に支払期日までに分割代金が支払えない場合には、多少割高な遅延料金が課せられます。
アフターペイが生まれる前からオーストラリアにはレイバイ(Lay-By)=お取り置きのシステムがありました。
これは商品の代金の10%-20%程度を店側に支払い、購入予定の商品を取り置いておいてもらうというものでした。
レイバイの場合は、商品代金全額の支払いが済んだ時点で商品が受け取れる仕組みです。
レイバイには手数料が掛かる場合があり、購入をキャンセルした場合にもこの手数料は返金されません。
国際ブランドの連絡先
オーストラリア国内でクレジットカードを紛失した場合、まず真っ先に必要なのは悪用を防ぐためにクレジットカードの利用をストップすることです。
その後、所轄警察署で調書=ポリスレポートを作成してもらい、悪用被害があった場合にはこのポリスレポート番号をクレジットカード会社、保険会社へ報告することとなります。
以下に各国際ブランドの連絡先を記載いたします。
ブランド名 |
VISAカード |
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Webサイト | |
連絡先 |
https://www.visa.com.au/dam/VCOM/regional/ap/documents/gcas-ap-en.pdf |
ブランド名 |
MASTERカード |
---|---|
Webサイト | https://www.mastercard.com.au/en-au.html |
連絡先 | https://www.mastercard.com.au/en-au/contact-us.html |
ブランド名 |
AMEXカード |
---|---|
Webサイト | https://www.americanexpress.com/au/ |
連絡先 | https://www.americanexpress.com/au/contact-us/?inav=au_utility_contact |
ブランド名 |
JCBカード |
---|---|
Webサイト | https://www.global.jcb/en/index.html |
連絡先 | https://paymentmethods.com/au/jcb-creditcard |
(注)JCBの旅行サイト「たびらば(旅LOVER)」によると、JCBカードの利用で買い物代金が10%オフになる優待サービスを行っている店もあります。
さらに、JCBのスマホアプリをダウンロードしておくと、JCB優待店舗を簡単に検索できたり、主要エリアマップが見れたり、いざというときに役立つJCBのサービスがチェックできるなど、便利な機能が使えるようになります。
ブランド名 |
Diners Clubカード |
---|---|
Webサイト | https://www.dinersclub.com.au/ |
連絡先 | https://www.dinersclub.com.au/contact.htm |
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