新型コロナウイルス感染拡大防止策:P2マスクとは?
新型コロナウイルスの感染が日本国内で確認されてからはや一年。
1月8日には一都三県で非常事態宣言が発出され、1月14日には2府5県がそれに追加されました。
市民は不要不急の外出を控え、飲食店は営業時間短縮を余儀なくされています。
それでも1月19日には重症者が過去最多の1000人を超え、感染拡大に歯止めがかからない状態です。
累計の新型コロナウイルス感染者数は2021年1月20日現在、計33万4千人を超えました。
今、私たち一般市民は感染拡大防止のために何ができるのでしょうか。
今回は感染拡大対策としてのマスクの有用性を考え、「P2マスク」と呼ばれる認証付き高機能マスクについてご紹介していきたいと思います。
ユニバーサルマスクとは?
従来、マスクは咳やくしゃみなどの症状がある人に着用が推奨されてきました。
日本ではインフルエンザのシーズンに感染予防のためマスクを着用する習慣があります。
よって新型コロナウイルスの蔓延以降もマスクの着用に抵抗がある人はそれほど多くなかったと思います。
ところが、マスク着用の習慣がない国々では当初、マスクの着用に抵抗がある人が多く見受けられました。
アメリカでトランプ元大統領を始め、ハリウッドスターなどがマスクを着用していない姿を目撃されバッシングされる光景を幾度も目にしてきたかと思います。
そのような国々で、新型コロナウイルスの症状の有無に関わらず、他人とのソーシャルディスタンスが保てない閉所や屋内ですべての人がマスクを着用するという概念、「ユニバーサルマスク」が急速に普及しました。
東京大学医科学研究所の報告によれば、ウイルスを排出する側、ウイルスを浴びる側の双方がマスクを着用せず、浴びるウイルス量が100%という環境と同条件の中、ウイルスを排出する側、ウイルスを浴びる側の両方がマスクを着用した場合にはそのウイルス量を70%も減らすことができるという結果が出ており、マスクの有用性は実証されています。
マスクの種類
それでは着用するマスクはどんなものでも良いのでしょうか?
マスクは大きく分けて、家庭用マスク、医療用マスク、産業用マスクに分類されます。
また素材や性能によって、ガーゼマスク、不織布マスク、認証付き医療用高機能マスク(N95マスク、P2マスク、FFP2マスク)などと分類されます。
ガーゼマスク
ガーゼマスクは綿織物を重ね合わせた家庭用マスクで、家庭用マスク全体の3%がこのガーゼマスクとなっています。
新型インフルエンザ専門家会議の報告によると、ガーゼマスクのフィルター性能では環境中の飛沫を補足する十分な効果が得られない、とされています。
不織布マスク
不織布マスクは、織物でなく、熱や化学的製法によって繊維や糸を接着し布上にしたもので作られたマスクです。
家庭用マスクの97%がこの不織布マスクにあたり、いわゆるサージカルマスク(外科用マスク)は医療用の不織布マスクを指しています。
高性能マスク
一般に「N95マスク」、「P2マスク」、「FFP2マスク」などと呼ばれる認証付き医療用高機能マスクは多くの国や地域による安全規格をクリアしたマスクです。
一般の家庭用マスクと区別するため、「レスピレーター(Respirator)」=呼吸器保護具、と定義されます。
日本で馴染みのあるN95マスクの「N95」はアメリカの規格です。
「N」はNot resistant to oil=耐油性がない、「95」は「PFE( Particle Filtration Efficiency=微粒子ろ過効率)」が95%以上という意味があります。
微粒子ろ過効率とは、約0.1㎛(マイクロメートル)サイズの粒子をどれくらいろ過できるのかを表しています。
尚、アメリカ合衆国労働安全衛生研究所(NIOSH)は試験粒子に塩化ナトリウムを用いるため粒子サイズが少し大きくなり、N95マスクは0.3㎛の粒子を95%ブロックできる、という意味になります。
P2マスクの「P2」はオーストラリア、ニュージーランドの規格、FFP2マスクの「FFP2」はヨーロッパの規格です。
共に微粒子ろ過効率が94%以上、と規定されています。
新型コロナウイルスの大きさがちょうど約0.1㎛(マイクロメートル)ですので、P2レスピレーター、FFP2レスピレーターで新型コロナウイルスを94%ブロックできる、と解釈できます。
数字としては1%ほどろ過効率がN95マスクに劣っているように見えますが、実際にはより小さな粒子を高い精度でろ過する性能があることが分かります。
(マスクと顔の間の空気の漏れがなく正しく装着できている場合の数値となります)
規格 | P2 | N95 | FFP2 |
---|---|---|---|
国・地域 | オーストラリア | アメリカ合衆国 | ヨーロッパ |
PFE(微粒子ろ過効率) | 94%以上 | 95%以上 | 94%以上 |
漏れ率 | 8%以下 | 規定なし | 8%以下 |
CO2除去 | 1%以下 | 規定なし | 1%以下 |
この認証付き高機能マスクは大きな感染予防効果が期待できる代わりにその高度なろ過性能により息苦しさを感じることがあります。
よって従来、日常生活において使用することは想定していない、とされてきました。
そのため医療従事者など感染の危険性が高い一部の人たち向けのものというイメージがありました。
しかしここへきてこの認識に変化が起きています。
新型コロナウイルスは空気感染する
2020年10月5日、アメリカのCDC(疾病対策予防センター)が新型コロナウイルスの感染経路に関するある見解を改訂しました。
それは新型コロナウイルスの感染経路のひとつとして空気感染を初めて認める内容でした。
従来より新型コロナウイルスの主要な感染経路は、感染者の咳、くしゃみ、あるいは会話、歌唱、呼吸などをする際に口や鼻から出る飛沫を近くにいる人が吸いこむ、または飛沫が鼻や口の粘膜に付着することによって起こる「飛沫感染」だとされてきました。
CDC(疾病対策予防センター)も飛沫感染が最大の感染経路であるという見解は変えていません。
ところが飛沫感染のメカニズムについてはその見解が少し変わりました。
従来、飛沫を「粒径が5㎛(マイクロメートル)を超え、発生源から6フィート(約1.8メートル)の辺りに落下する粒子」と説明し、発生源から2m圏内にいる人の粘膜に飛んできた飛沫が付着することによる感染経路を飛沫感染としてきました。
これに対して環境工学の研究者たちは、飛沫のサイズは様々であり、大きな飛沫が必ずしも2メートル以内に落ちるわけではない、発生源からの距離に関係なく粒径の小さな飛沫を吸入することがあると繰り返し指摘してきました。
今回のCDC(疾病対策予防センター)の改訂はこれらの指摘を認めた内容となっています。
つまり新型コロナウイルスは空気中を数分から数時間にわたって浮遊することがあり、ウイルスを含む小さな飛沫や粒子を吸い込むことによって空気感染するということです。
よって発生源から2メートル以上離れた場所にいても感染することがあります。
これは空気感染の可能性を指摘した2020年7月9日当時のWHO(世界保健機関)の見解とも一致します。
感染者の高性能マスク着用について
日本感染症学会の感染対策についての提言によれば、空気感染の危険性があるウイルスに対する予防策として、感染者を空気感染隔離室に収容できないのであれば、医療従事者が高性能マスクを着用するのみならず、感染者にもサージカルマスクを着用させるべきという指摘があります。
これは病院での院内感染を防ぎ、医療現場から医療を崩壊させないための対策です。
先述の通り、ウイルスを排出する側=ウイルス感染者、ウイルスを浴びる側=医療現場スタッフ、の双方がマスクを着用した場合にマスクの有用性が最大限に発揮されます。
またそのマスクは0.1㎛(マイクロメートル)という極小の新型コロナウイルスを遮断するため、よりろ過効率の良いマスクの着用が求められていることが分かります。
P2レスピレーターとは?
それではどのようなマスクを着用すれば空気感染を含めた新型コロナウイルスの感染を効果的に防げるのでしょうか?
その答えとなるのが認証付き高機能マスク、とりわけP2レスピレーターです。
認証付き高機能マスクは各国の安全基準、特に微粒子ろ過効率に焦点を当てて性能判断をしています。
P2レスピレーターとは、オーストラリアとニュージーランドの産業用マスクに関する規格、AS/NZS 1716:2012のP2規格をクリアした高度な防塵機能を備える認証付き医療用高機能マスクです。
先にも述べた通り、P2レスピレーターのPFE=微粒子ろ過効率は94%となっており、飛沫、マイクロ飛沫、粒子のいずれの形状でも新型コロナウイルスを94%以上もブロックできる高い性能を誇っています。
区分 |
微粒子ろ過効率 |
主な用途 |
---|---|---|
P1 |
80%以上 | 機械的プロセスによって生成された比較的大きな粒子(> 1ミクロン)。 研削、切断、研磨、穴あけ、のこぎり等 |
P2 | 94%以上 | 機械的プロセスによって生成された比較的小さな粒子。研削、切断、研磨、穴あけ、 のこぎり等。 サブミクロンの熱的に生成された粒子(溶接ヒューム、肥料、山火事の煙など)。 ウイルス、バクテリア、COVID-19、SARSなどの空中浮遊粒子 |
P3 | 99.95%以上* | 機械的プロセスによって生成された比較的小さな粒子。研削、切断、研磨、穴あけ、 のこぎり等。 サブミクロンの熱的に生成された粒子(溶接ヒューム、肥料、山火事の煙など)。 ウイルス、バクテリア、COVID-19、SARSなどの空中浮遊粒子 有機リン系殺虫剤、放射性核種、アスベストなどの毒性の高い粒子 |
*P3規格は、フルフェイス・レスピレーター、またはパワード・エアピュリファイング・レスピレーター(PAPR)と併用した場合にのみ達成できます。
オーストラリアも他の例に漏れず新型コロナウイルスの蔓延以降、医療関係機関をはじめ認証付き高機能マスクの需要が急増し、自国の在庫不足が深刻化したため認証付き高機能マスクの海外への輸出が規制されました。
そのため今まで日本ではP2レスピレーターの輸入実績がなく、日本ではあまりその名前は知られていないかもしれません。
オーストラリアでは現在も認証付き医療用高機能マスクの輸出規制は続いています。
しかしオーストラリア国内では新型コロナウイルスの感染状況が他の先進諸国に比べて格段に落ち着いています。
(累計の新型コロナウイルス感染者数は日本の10分の1以下)
認証付き医療用高機能マスクの供給に関する不安も無いことからオーストラリア政府から輸出許可を取得できるP2レスピレーターが出てきています。
アメリカ合衆国のN95、ヨーロッパのFFP2など認証付き高機能マスクは各自国の感染状況が好転せず、マスク生産国での自国優先供給が引き続き行われています。
また日本国内では認証付き高機能マスクの供給は医療現場に限定されているため、日本のDS2規格マスクを含めた認証付き高機能マスクが一般の市場へ出回ることがありませんでした。
私たち一般市民が未然に空気感染に備えようとしてもその方法すら提供されていないのが実状です。
AMD社製P2レスピレーター
私たちはこの現状を変えられると考えています。
私たち、株式会社トランスオービットは、オーストラリア政府より輸出許可を取得したAMD社(アドバンスド・メディカル・ディバイスイズ社)と代理店契約を結んでいます。
当社はオーストラリアの認証付き医療用高機能マスク=P2規格レスピレーターを初めて日本へ輸入し、日本国内で販売する事業者です。
AMD社のP2レスピレーターは安心のオーストラリア製で、一般のP2規格よりさらに高い性能を誇っています。
つまりN95マスクと同等あるいはそれ以上の性能を持っていることになります。
最先端のナノファイバーフィルターと独自の4層構造により、PFE(微粒子ろ過効率)は99.66%、BFE(Bacterial Filtration Efficiency=細菌ろ過効率)は99.92%を誇ります。
(一般にPFE(微粒子ろ過効率=Particle Filtration Efficiency)は装着者をウイルスから守るための指標、BFE(細菌ろ過効率=Bacterial Filtration Efficiency)は他者に細菌を飛散させない為の指標、とされています。)
これは言い換えれば、AMD社のP2レスピレーターを着用していれば、飛沫、マイクロ飛沫、粒子、いずれの大きさの新型コロナウイルスであっても、それを吸い込んでしまう確率は0.34%程度、自分が飛沫、マイクロ飛沫などを飛ばしてしまう確率はわずか0.08%だと言えます。
また、呼気抵抗は68Pa@40L/minと少なく、通気性に優れていますので、認証付き高機能マスクならではの息苦しさを軽減しています。
日常生活で着用することができ、様々な感染症患者の方々にも安心してご利用いただけるかと思います。
高い通気性を誇りながらも、密着性の高い三つ折り3D構造により漏れ率は基準の8%を大きくクリアし5.39%。
(アメリカのN95マスクには漏れ率に関する基準の設定はありませんが、オーストラリアのP2規格には漏れ率に関して8%以下という基準が定められており、より厳格な規格となっています。)
耐水性も高く血液不浸透性は160mmHgとなっています。
そしてこれだけの高性能にも関わらず重さはたったの4g。
100%グラスファイバーフリー、ラテックスフリーによりソフトな肌ざわりと、伸縮性のあるイヤーループにより快適な着け心地をお約束します。
(これらの試験結果は、オーストラリア国家認証機関、NATA(National Association of Testing Authority)の認証を受けている、VicLabとCSIROにて性能テストを受けた信頼性の高いものとなっています。)
AMD社 P2レスピレーター規格
商品名 | NANO-TECH Particulate Respirator-T4 |
---|---|
製造者 | Advanced Medical Devices (AMD) Pty Ltd 49 / 5-7 Inglewood Place Baulkham Hills NSW 2153 Australia |
生産国・生産地 | オーストラリア・シドニー |
オーストラリア・高性能マスク規格 (AS/NZS 1716:2012) |
P2規格 |
医療用マスク規格 (ASTM F2100) |
LEVEL 3(高バリア)規格 |
オーストラリア保健省認定 | サージカル/ メディカル/ レスピレーター(医療用呼吸器防護具)認定 |
微粒子ろ過効率 (PFE) | 99.66% |
細菌ろ過効率 (BFE) | 99.92% |
血液不浸透性 | 160mmHg (医療用マスク最高位のLEVEL 3) |
呼気抵抗 | 68Pa@40L/min |
漏れ率 | 5.39% |
マスクの重量 | 4グラム |
区分 | 使い捨て |
フィルタ | 4層構造 ナノファイバー・フィルター使用 |
素材 | マスク本体(ポリプロピレン:Polypropylene) フィルター:ナノファイバーフィルター 梱包素材(ポリエチレン:polyethylene) |
形状 | 3つ折り3D構造 耳掛け式 |
色 | 白 |
サイズ | 普通サイズ 20 cm x 8.2 cm |
1箱枚数 | 50枚 |
包装 | 個別包装 |
その他 | ラテックス・フリー、 グラスファイバー・フリー |
注意:高いフィルタ性能を持つ認証付き高機能マスクは、マスクの装着の仕方によりその効果が大きく変わります。
認証取得機関の認証
AMD社のP2レスピレーターはオーストラリアの各認証取得機関の認証を得た信頼できる商品です。
オーストラリアは食料品、医薬品、健康関連商品に対して、世界的にもトップクラスの厳しい安全基準を設け、厳格に管理実施されています。
医療用の認証付き高機能マスクも同様で、オーストラリアとニュージーランドの防塵マスクの共通規格であるAS/NZS 1716:2012のP2規格の取得、及びオーストラリア保健省の医療用品製造業者としてのRTG認証の取得が義務付けられており、その観点からも本製品は安心してご利用いただける品質となっています。
- オーストラリア保健省認可番号 ARTG335981(https://amdmed.com.au/wp-content/uploads/2020/11/DPressure-Test.pdf/)
- ベンチマーク・プロダクト・サーティフィケーション認証 (BMP730119) https://amdmed.com.au/wp-content/uploads/2020/11/BMP-730119-Certificate-and-Schedule.pdf/
- ISO9001国際医療機器規格認証
- オーストラリア産証明認証
- JAS-ANZオーストラリア・ニュージーランド認定システム認証
- オーストラリア保健省認可番号 ARTG335981
ドイツで1月20日、イギリス変異型、南アフリカ変異型とも異なる変異種の新型コロナウイルスが見つかりました。
それに先立つ1月18日には国内バイエルン州にてP2レスピレーターと同等の性能を持つ認証付き高機能マスク=FFP2レスピレーターの着用が公共の場で義務付けられたところでした。
バイエルン州と接する隣国オーストリアもそれに追随し、1月25日より全土でFFP2レスピレーターの着用が義務化されます。
公共交通機関のみならず、すべての商店、スーパーマーケットへ入店する際にもFFP2レスピレーターの着用が必要になります。
世界は今、改めてマスクの性能に注目し、より性能の高いレスピレーターの一般への普及が急務となっています。
日本国内でも1月18日に静岡県で男女3人がイギリスの変異株の新型コロナウイルスに感染していることが分かりました。3人ともイギリスでの滞在歴はなく、滞在者との濃厚接触もないとのことです。
感染経路は調査中とのことで、飛沫感染なのか、空気感染なのか、特定はされていません。イギリス変異株は通常の新型コロナウイルスと比べて約1.7倍もの感染力があるとされています。
静岡県での事例はこのイギリス変異株の国内最初の市中感染だと考えられています。
止まらない感染拡大、明らかになった空気感染、感染力の高い変異型ウイルスという新たな恐怖。
今こそ私たちには確固とした「感染しない準備」、「感染させない覚悟」が今まで以上に求められているのではないでしょうか。
「AMD P2レスピレーター」の製品の詳細については下記をご参照ください。
- ホームページ https://www.p2mask.jp/
「AMD P2レスピレーター」の製品に関するご質問、法人一括購入のお見積りなど、お気軽に お問い合わせください。
法人のお客様のお問い合わせは こちらからお願い致します。
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