オーストラリア政府が新型コロナウィルス規制緩和に向けてのロードマップを発表 ~ ワクチン接種率によって国境の再開も視野に
このページは2021年9月8日現在の情報になります。
2022年2月21日より、そのオーストラリア入国制限が全世界からのワクチン接種完了者に対象を拡大、約2年ぶりにオーストラリアの国境が全面的に開放されることになりました。
最新の情報は以下のページを参照ください。
オーストラリア連邦政府は2021年8月6日、現在閉鎖されているオーストラリア国境の再開を含む、ロードマップ(行程表)を発表しました。
今回発表された行程表(ロードマップ)は、National Plan to transition Australia’s National COVID-19 Response(オーストラリアの全国COVID-19対応を移行する国家計画)と呼ばれ、ワクチン接種率を目安に4段階に別れ、接種率があがるごとに行動制限の緩和を進めていくものです。
この行程表には、各段階ごとの目指すワクチン接種率が明示され、オーストラリアへの観光旅行の受入れも含まれています。
オーストラリアへの観光旅行の再開を待ち望む関係者、オーストラリアを訪れたいと考えている旅行者にとって、ようやく見えてきた一筋の光と言えます。
この記事は2021年11月時点の記事になります。
オーストラリア政府は2022年2月21日より、全世界からの短期観光客を含む旅行者の受け入れを開始しました。
最新のオーストラリア入国に関する情報は、以下のページを参照ください。
オーストラリアの新型コロナウィルス政策
オーストラリアでは、市中感染者が発見され次第実施される機動的なロックダウン(都市封鎖)と、入国者に対して課せられる14日間の強制隔離と人数制限、自国民の出国も制限する等、厳しい出入国制限が行われていました。
オーストラリア連邦政府は元々ゼロコロナを目指していた訳ではなかったのですが、国内の州境閉鎖、ロックダウンなど強い権限を持つ州政府、特にクイーンズランド州(ブリスベン、ゴールドコースト、ケアンズ等)、ビクトリア州(メルボルンなど)、西オーストラリア州(パース等)などの労働党が政権を握っている州、それを支持する世論に押し切られる形で、結果として国全体としてゼロコロナ事実上のコロナ政策となっていました。
しかしながら、厳しい出入国制限を実施していたのに関わらず、6月にはシドニーよりデルタ変異種のオーストラリア国内に侵入して全国に広がりをみせ、それまでほぼオーストラリア国内では新規感染者がゼロに抑え込まれていた状況が一変しました。
シドニーでは6月26日より厳しい行動制限を伴うロックダウンが実施されましたが、9月9日現在も1日の感染者数は1400人と減少傾向が見られず、4回の延長を重ねて現在もロックダウンが実施されています。
オーストラリアのワクチン接種は他の先進国に比べて出遅れていましたが、7月より急速にワクチン接種が進み、接種を希望する人全員へ行き渡る目途もたってきました。
進む国内でのワクチン接種と、今回のデルタ変異種のような感染力が強い変異種では、完全な新型コロナウィルスの封じ込めは不可能と考えられることから、オーストラリア政府は「方針を転換」し、新型コロナウィルスとの共生を目指していくことを明らかにしました。
2021年8月6日には、ワクチン接種率に応じて4段階に分けて行動制限を緩和し、この制限緩和にはオーストラリアの国境再開も含まれています。
新型コロナウィルス規制緩和のロードマップ
オーストラリア連邦政府によって発表された、National Plan to transition Australia’s National COVID-19 Response(オーストラリアの全国COVID-19対応を移行する国家計画)の内容は以下の通りです。
ワクチン接種率によって4段階のステップを踏んで、全面的な規制緩和、オーストラリアと他国との往来の再開を目指していきます。
このフェーズで取られる主な対策:
- ワクチン接種率の加速
- 国際的な国境を閉じる
- アウトブレイクが発生した場合、早期に、厳しく、短期間でロックダウンを行う。
- オーストラリア人全員に必要な量のワクチンを接種する機会を提供する
- 帰国者のための自宅検疫を含む、代替検疫の導入を試験的に実施する。
- ワクチンを接種した旅行者の帰国時の自宅検疫など、代替検疫方法の導入を試行する。
- 学生ビザ、ビジネスビザ保持者の入国制限に関する試験の拡大
- 国境でのデジタル・ワクチン接種証明書の認証の確立
- ワクチンブースタープログラムの準備
- 検疫ネットワークの見直し
このフェーズでは、深刻な病気、入院、および死亡者を最小限に抑えるよう努めます。対策には、高いワクチン接種率の維持、インセンティブやその他の対策による摂取の促進、継続的な低レベルの制限と効果的な追跡による地域社会での症例の最小化等です。ロックダウンの可能性は低いですが、極対象を絞ったものが含まれる場合があります。
このフェーズで取られる対策:
- ワクチン接種を受けた住民に対する制限を緩和する(予定)
- ワクチン接種を受けた帰国者数の上限を拡大
- 入国者数の上限を設けて学生ビザおよびビジネスビザ保持者の入国上限を認める。
- ワクチン接種を受けた居住者のために、新たに検疫の軽減措置を導入。
- ワクチンブースタープログラムの準備・実施
フェーズCでは、オーストラリアは、深刻な病気、入院、死亡を最小限に抑えるよう努めます。対策には高度にターゲットを絞ったロックダウンのみが含まれる場合があります。
- ワクチン接種率の最大化
- 高度にターゲットを絞ったロックダウンのみ
- ワクチンブースタープログラムの継続ワクチン接種を受けた住民は、国内のすべての規制を免除
- ワクチンを接種したオーストラリア人の帰国人数の上限を撤廃
- 学生ビザ、ビジネスビザ、人道ビザ保持者の入国制限を緩和
- ワクチン接種を受けたオーストラリア人の渡航制限をすべて解除
- 新たな候補国(シンガポール、太平洋)への無制限の渡航バブルの拡大
フェーズDでは新型コロナウィルスを他の感染症と同様に扱います。
- 国際的な国境の開放
- ワクチン接種者の人数制限、隔離措置無しで入国受入れ
- ワクチンを接種していない旅行者に対しては、飛行前および到着時の検査をテストを実施して受入れ
今後のワクチン接種率の達成予想
現時点では、オーストラリアのワクチン接種率が70%に達するのは11月下旬、80%に達するのが12月下旬と予想されていましたが、ニューサウスウェールズ州等では急加速でワクチン接種が進み、大幅な前倒しで目標を達成する見込みです。
一方元々厳格な州境制限、ロックダウンを含む行動制限を実施しており、デルタ変異種による大規模な感染拡大に至らなかった、クイーンズランド州や西オーストラリア州では、ニューサウスウェールズ州等と比較してワクチン接種が進んでいなく、州によってワクチン接種率の達成状況に大きく差が出る懸念が生じています。
また、今回発表されたロードマップは、オーストラリアの全ての州政府が合意した上で発表されましたが、ここにきてクイーンズランド州、西オーストラリア州は国境の再開に対して慎重な姿勢を見せてきており、州による足並みの乱れが出てきました。
スコット・モリソン首相は、「ニューサウスウェールズ州のように、80%(ワクチン接種率)を超え、開業を望まない州を待たずに開国することを想像できますか」の質問に対し、「はい、できます。国家計画はそれを明確に示しています」と回答しています。
つまりシドニー空港のみ早期に国境が、帰国するオーストラリア人、学生ビザ、ビジネスビザを保持する限られた人に対して開かれ、一方でニューサウスウェールズ州とクイーンズランド州、西オーストラリア州との州境は閉鎖されたままで、州間の移動ができない、あるいは隔離期間が必要となる、という事態が発生する可能性があります。
オーストラリア連邦政府と同じ自由党が政権を持つ、シドニーのあるニューサウスウェールズ州は、他の労働党政権の州と比較して、当初より行動規制の緩和、国境の再開に積極的に取り組んでいます。
州ごとのワクチン接種率の到達予想(2021年9月10日現在)
60 % | 70 % | 80 % | ||
---|---|---|---|---|
ニューサウスウェールズ州 | 1回目接種 | 8月26日 | 9月6日 | 9月18日 |
完全接種 | 10月11日 | 10月28日 | 11月14日 | |
ビクトリア州 | 1回目接種 | 9月11日 | 10月2日 | 10月23日 |
完全接種 | 10月20日 | 11月8日 | 11月27日 | |
クイーンズランド州 | 1回目接種 | 9月21日 | 10月12日 | 11月2日 |
完全接種 | 11月2日 | 11月23日 | 12月15日 | |
南オーストラリア州 | 1回目接種 | 9月22日 | 10月19日 | 11月15日 |
完全接種 | 10月22日 | 11月11日 | 11月30日 | |
西オーストラリア州 | 1回目接種 | 9月29日 | 10月23日 | 11月17日 |
完全接種 | 10月24日 | 11月12日 | 12月1日 | |
タスマニア州 | 1回目接種 | 9月4日 | 10月3日 | |
完全接種 | 9月29日 | 10月15日 | 10月31日 | |
ノーザンテリトリー準州 | 1回目接種 | 9月10日 | 10月1日 | 10月22日 |
完全接種 | 10月26日 | 11月8日 | 12月12日 | |
オーストラリア首都特別地域 | 1回目接種 | 8月26日 | 9月13日 | 10月2日 |
完全接種 | 9月29日 | 10月14日 | 10月29日 |
Table: ABC News Source: covid19data.com.au
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