オーストラリアへ薬を持ち込む方法|処方薬・市販薬・英文証明は必要?
毎日飲んでいる血圧の薬を、オーストラリア旅行へ持って行っても大丈夫?
花粉症の薬や頭痛薬など、日本で買った市販薬は持ち込める?
睡眠薬やADHD治療薬には英文の診断書が必要?
海外旅行で常用薬がある人にとって、薬の持ち込みは意外に気になる問題です。
オーストラリアは医薬品の持ち込みに規則がありますが、一般的な旅行者が自分の治療のために必要な薬を持参することまで禁止しているわけではありません。
一定の条件を満たせば、「旅行者免除(Traveller's Exemption)」によって、多くの処方薬を特別な輸入許可なしで持ち込むことができます。
基本となる条件は、それほど複雑ではありません。
自分自身、または一緒に旅行する家族が使用する薬であること。
原則として3か月分を超えないこと。
元の容器・包装に入れておくこと。
処方薬なら、医師からの処方箋または手紙を用意すること。
そして、入国時に薬を申告することです。


特に注意したいのは、睡眠薬、抗不安薬、強い鎮痛薬、ADHD治療薬、ホルモン剤などです。
これらにはオーストラリアで規制されている成分が含まれることがあります。
ただし「規制薬物だから絶対に持ち込めない」とは限りません。
例えばモルヒネ、オキシコドン、メチルフェニデート、ベンゾジアゼピン系の薬なども、旅行者免除の条件を満たせば持ち込みが認められるものがあります。
この記事では、2026年10月現在のオーストラリア政府の規則をもとに、処方薬、市販薬、睡眠薬、インスリンなどを持ち込む際のルール、英文証明の準備方法、入国時の申告まで詳しく解説します。
- 結論:多くの薬は3か月分まで持ち込める
- 旅行者免除とは?
- 薬を持ち込む基本条件
- 「3か月分まで」とは?
- 処方薬は持ち込める?
- 英文処方箋・英文証明書は必要?
- 医師の英文レターには何を書いてもらう?
- 薬は元の箱・容器のまま持って行く
- ピルケースへ全部移し替えるのは避ける
- 入国時には薬を申告する
- 入国カードではどこにチェックする?
- 日本の市販薬は持ち込める?
- 風邪薬・頭痛薬・胃腸薬の場合
- コデイン入りの薬には特に注意
- 睡眠薬・抗不安薬は?
- ADHD治療薬は持ち込める?
- モルヒネ・オキシコドンなどの鎮痛薬
- ステロイド・ホルモン剤は?
- 旅行者免除の対象にならない成分
- CBD・医療用大麻製品は自己判断しない
- ニコチンパウチ・電子たばこは薬とは別ルール
- ビタミン・サプリメントは?
- 漢方薬・生薬には検疫上の注意も必要
- インスリンは持ち込める?
- 注射針・注射器を持って行く場合
- 医療機器も旅行者免除の対象
- 薬は機内持込手荷物に入れる?
- 家族の薬をまとめて持って行ける?
- 3か月を超える長期滞在では?
- 旅行中に薬がなくなったら?
- 日本から後で薬を郵送してもらえる?
- 「持参」と「郵送」ではルールが違う
- 自分の薬が持ち込めるか調べる方法
- 出発前チェックリスト
- 迷ったら申告するのが基本
- よくある質問
結論:多くの薬は3か月分まで持ち込める
一般的な旅行者が自分で使用する薬については、オーストラリアへ持ち込むことができます。
2026年現在、オーストラリア政府のオフィス・オブ・ドラッグ・コントロール(Office of Drug Control/ODC)は、旅行者免除によって原則として3か月分までの医薬品を持参できるとしています。
処方薬の場合は、医師の処方箋またはレターを携帯します。
薬は、何の薬なのか確認できるよう元の包装に入れておくことが重要です。
そして入国時には、オーストラリアン・ボーダー・フォース(Australian Border Force/ABF)へ薬を申告します。
つまり、一般的な旅行者なら、
3か月分以内+自分用+元の容器+英文の処方資料+申告
を基本と考えておけば分かりやすいでしょう。
旅行者免除とは?
オーストラリアでは、医薬品の輸入についてさまざまな規制があります。
しかし海外旅行者が、毎日飲んでいる薬について一つひとつ正式な輸入許可を取得しなければならないとしたら、現実的ではありません。
そこで設けられているのが旅行者免除です。
これは、海外からオーストラリアへ入国する人が、自分自身または一緒に旅行する家族の治療に必要な薬を一定量持参する場合に、通常の輸入許可を免除する仕組みです。
高血圧、高脂血症、糖尿病、胃酸を抑える薬、避妊薬、抗生物質、睡眠薬など、多くの医薬品が対象になります。
薬を持ち込む基本条件
セラピューティック・グッズ・アドミニストレーション(Therapeutic Goods Administration/TGA)とODCの案内をまとめると、基本的な条件は次のようになります。
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 使用者 | 本人、または一緒に旅行する近親者 |
| 目的 | 個人の治療・使用目的 |
| 数量 | 原則3か月分まで |
| 包装 | 元の包装・薬局ラベルを残す |
| 処方薬 | 処方箋または医師のレターを携帯 |
| 入国時 | 薬を申告する |
| 販売・譲渡 | 他人へ販売・配布しない |
旅行者免除は「海外から好きな薬を何でも自由に持って行ける制度」ではありません。
あくまで旅行中に本人が必要とする量を持ち込むための制度です。
「3か月分まで」とは?
旅行者免除で最も重要な数字が3か月分です。
例えば1日1錠の薬なら、医師から指示された1日の服用量をもとに3か月分まで、という考え方です。
「3か月旅行するから念のため半年分持って行こう」という持ち込みは、通常の旅行者免除の範囲を超えます。
1週間程度の旅行で大量の薬を持っていると、入国審査で理由を確認される可能性もあります。
実際の旅行期間に少し余裕を持たせた、常識的な量にしておくのがよいでしょう。
処方薬は持ち込める?
はい。
多くの処方薬は、旅行者免除の条件を満たせば持ち込めます。
例えば、
・血圧の薬
・コレステロールの薬
・糖尿病治療薬
・胃薬
・抗生物質
・避妊薬
・睡眠薬
などです。
さらに、後ほど説明するモルヒネなどの強い鎮痛薬や、一部の向精神薬も、一定条件を満たせば旅行者免除の対象になるものがあります。
重要なのは、自分に正規に処方された薬だと証明できることです。
英文処方箋・英文証明書は必要?
処方薬については、英文の処方箋または医師のレターを持って行くことをおすすめします。
ABFは、処方薬を旅行者免除で持ち込む場合、医師がその薬を治療目的で本人に処方したことを証明する英語の処方箋またはレターを携帯するよう明記しています。
日本語の「お薬手帳」だけでも薬の内容は確認できますが、オーストラリアの国境職員が日本語を読めるとは限りません。
お薬手帳を持参するのは良いことですが、それとは別に英語で確認できる資料を準備しておくほうが安心です。
医師の英文レターには何を書いてもらう?
ODCは、医師のレターに薬の名称と用量を記載するよう案内しています。
実務上は、次の内容があると入国時に説明しやすいでしょう。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 患者氏名 | パスポートと同じローマ字氏名 |
| 薬品名 | 商品名だけでなく一般名・成分名もあると分かりやすい |
| 用量 | 1回量・1日の服用回数など |
| 使用目的 | 本人の治療のために処方されていること |
| 医師情報 | 医師名・医療機関・連絡先 |
| 発行日 | 旅行前の日付 |
診断名やパスポート番号までが法律上必須という意味ではありません。
重要なのは、薬の名称、用量、本人の治療目的で処方されたものであることを英語で確認できることです。
薬は元の箱・容器のまま持って行く
薬はできるだけ日本の薬局から受け取った状態の容器・包装で持参します。
処方薬なら、患者名、薬品名などが印刷された薬局のラベルを残しておきましょう。
市販薬も、商品名や成分が確認できる箱・容器に入れておくのが安全です。
2026年9月には、オーストラリア政府が個人輸入する医薬品について、薬を正確に特定できる元の包装・ラベルを維持するルールを明確化しました。
旅行者にとっても、「中身が何なのかすぐ確認できる状態」にしておくことが基本です。
ピルケースへ全部移し替えるのは避ける
旅行用の小さなピルケースは便利です。
ただし、入国前からすべての錠剤を箱やPTP包装から出して、何の薬か分からない状態にするのはおすすめできません。
例えば白い錠剤を30錠だけ透明な袋へ入れていても、国境職員から見れば、それが血圧薬なのか睡眠薬なのか分かりません。
滞在中にピルケースへ小分けする場合でも、入国時には元の包装や処方情報を一緒に持っておくとよいでしょう。
入国時には薬を申告する
「正しく処方された薬なら申告しなくてよい」と思われることがありますが、ABFは旅行者に対して、医薬品を申告するよう案内しています。
申告することは「持ち込み禁止」という意味ではありません。
むしろ正直に申告し、必要なら処方箋や医師のレターを見せるのが正しい手続きです。
条件を満たしている薬なら、確認後そのまま持ち込めることが一般的です。
迷った場合は申告する。
オーストラリア入国では、この考え方が基本です。
入国カードではどこにチェックする?
紙の入国カードでは、「医薬品、ステロイド、武器、違法薬物など、禁止または規制対象となる可能性のある品物を持っていますか」という趣旨の質問があります。
処方薬などを持参している場合は「Yes」として申告し、必要に応じて薬を提示します。
2026年現在は、カンタス航空の一部国際線などでデジタル版のオーストラリア・トラベル・デクラレーションも試験・展開されています。
紙でもデジタルでも、薬に関する基本ルールは同じです。
日本の市販薬は持ち込める?
一般的な市販薬も、個人使用の範囲なら持ち込めるものが多くあります。
ただし「日本ではドラッグストアで自由に買える=オーストラリアでも無条件で持ち込み可能」という意味ではありません。
国によって、同じ成分でも医薬品の分類が違います。
市販薬についても、元の包装を残し、成分が分かる状態にしておきましょう。
また、複数の成分を含む風邪薬などは、商品名ではなく成分で規制の対象になる場合があります。
風邪薬・頭痛薬・胃腸薬の場合
一般的な解熱鎮痛薬、胃腸薬、アレルギー薬などは、旅行中に必要となる程度の量であれば大きな問題にならないことが多いでしょう。
ただし、総合感冒薬のように複数成分を含む薬には注意してください。
日本の商品名を見ても、オーストラリアの国境職員には成分が分かりません。
外箱や説明書を残しておき、可能なら英語で成分名が確認できる情報も用意すると安心です。
コデイン入りの薬には特に注意
オーストラリア政府が特に注意を促しているのがコデインを含む医薬品です。
2026年現在、コデインを含む薬を個人用としてオーストラリアへ持ち込む場合、含有量にかかわらず医師の処方箋またはレターが必要です。
日本で購入した薬だから大丈夫、と自己判断しないようにしましょう。
外箱の成分表示を確認し、コデインが含まれている場合は出発前に医師・薬剤師へ相談するのが安全です。
睡眠薬・抗不安薬は?
ジアゼパム、ロラゼパムなどのベンゾジアゼピン系薬剤は、オーストラリアで規制されている医薬品です。
しかし、旅行者免除の条件を満たせば、多くは持ち込み可能です。
必要なのは、
・本人の処方薬であること
・3か月分以内であること
・英文の処方箋または医師のレター
・元の包装
・入国時の申告
です。
「睡眠薬だから持ち込み禁止」と一律に考える必要はありません。
ADHD治療薬は持ち込める?
ADHD治療に使われる一部の薬は、オーストラリアでは厳しく管理されています。
それでも旅行者免除が利用できるものがあります。
ODCは具体例として、メチルフェニデートやアデロールなどを旅行者免除の対象となる処方薬として挙げています。
英文の処方箋または医師のレターを用意し、3か月分以内、元の容器、入国時申告という基本条件を必ず守りましょう。
薬の成分や製品によって条件が異なる可能性があるため、出発前に最新情報を確認するのがおすすめです。
モルヒネ・オキシコドンなどの鎮痛薬
モルヒネやオキシコドンなどは、当然ながら管理の厳しい薬です。
しかしODCは、モルヒネ、オキシコドン、メサドンなども、正規に処方され本人が旅行者免除の条件を満たしている場合には持参できる処方薬の例として示しています。
こうした薬については、特に英文書類を確実に準備してください。
必要量以上を持たず、元の薬局包装を崩さないことも重要です。
ステロイド・ホルモン剤は?
「ステロイド」という言葉には、一般的な治療に使われる副腎皮質ステロイドから、筋肉増強目的などで使われるアナボリック・ステロイドまでさまざまなものがあります。
アナボリック・アンドロジェニック物質や一部のホルモンは国境管理対象です。
ただし本人の治療のため正規に処方された薬を旅行者本人が持参する場合、処方箋または医師の英文レター、3か月分以内などの条件を満たせば持参できる場合があります。
一方、スポーツ選手やその関係者がホルモンやペプチドを持ち込む場合は、別途許可が必要になることがあります。
旅行者免除の対象にならない成分
すべての薬が旅行者免除になるわけではありません。
ABFとODCは、旅行者免除の対象外となる成分として、次のようなものを挙げています。
| 成分・種類 | 注意点 |
|---|---|
| ミフェプリストン | 通常の旅行者免除の対象外 |
| ヨヒンベ/ヨヒンビン | 旅行者免除の対象外 |
| アミノフェナゾン等 | アミノピリン、ジピロン、メタミゾール等を含む |
| アミグダリン/レートリル | 「ビタミンB17」と呼ばれることもある |
| 一部ホルモン・ペプチド | 特にスポーツ選手・関係者は許可が必要な場合あり |
こうした成分は通常の旅行者免除だけでは持ち込めず、持ち込み前にODCの許可が必要になる場合があります。
該当する可能性がある場合は、空港へ行ってから判断せず、出発前に確認してください。
CBD・医療用大麻製品は自己判断しない
CBDオイル、THCを含む医療用大麻製品などは、通常の風邪薬とはまったく扱いが異なります。
オーストラリアでは医療用大麻製品も医薬品・規制物質として管理されています。
製品に含まれるカンナビノイドの種類、処方の有無、製品形態などによって扱いが異なります。
海外で合法的に購入・処方された製品だからといって、自動的にオーストラリアへ持ち込めるわけではありません。
CBD・THC製品を持参する場合は、出発前にODCまたはTGAの最新規則を製品ごとに確認してください。
ニコチンパウチ・電子たばこは薬とは別ルール
ニコチン製品も注意が必要です。
2026年7月24日から、旅行者はニコチンパウチを通常の旅行者免除でオーストラリアへ持ち込むことができなくなりました。
また電子たばこ・ベイプ製品についても、通常の「医薬品の旅行者免除」とは別の専用ルールがあります。
「ニコチンは薬局で扱うこともあるから、薬と同じ3か月ルールだろう」と判断しないようにしてください。
ビタミン・サプリメントは?
市販のビタミン剤やサプリメントは、条件を満たせば持ち込み可能です。
ABFは、人間が使用する市販のビタミン、サプリメントなどについて、
・人間用であること
・本人が使用すること
・市販品として包装されていること
・3か月分以内であること
などを条件として認めています。
ただしサプリメントでも、植物、動物由来成分、規制物質などが含まれていれば別の検疫・輸入ルールが関係することがあります。
漢方薬・生薬には検疫上の注意も必要
漢方薬や伝統薬は、「医薬品」としての規則だけでなく、動植物検疫の規則にも注意が必要です。
乾燥植物、種子、動物由来成分などが含まれている製品は、検疫上の制限対象になることがあります。
ABFの持ち込み案内では、霊芝や冬虫夏草などを含む伝統薬についても注意が示されています。
漢方薬を持参する場合は、商品名だけでなく原材料まで確認し、入国時に申告してください。
インスリンは持ち込める?
はい。
インスリンは旅行者免除によって持参できます。
TGAも、糖尿病患者がインスリンをオーストラリアへ持ち込むケースを具体例として紹介しています。
元の包装を残し、処方箋や医師のレターを持参してください。
インスリンは温度管理が必要なので、航空会社の預け荷物よりも、自分で温度を管理できる機内持込手荷物で運ぶほうが安心です。
保冷用品の使用についても、利用する航空会社の規則を事前に確認しましょう。
注射針・注射器を持って行く場合
インスリンなどのために注射針・注射器が必要な旅行者もいます。
TGAは、機内へ注射針や注射器を持ち込む場合、医師のレターまたは医療証明を持つよう案内しています。
機内持込手荷物には、フライト中に必要な数量に、遅延などに備えた少しの予備を加えた量を持つことが推奨されています。
薬と注射器を別々にせず、一緒に確認できるよう準備すると分かりやすいでしょう。
医療機器も旅行者免除の対象
旅行者免除では薬だけでなく、個人用の医療機器も持ち込めます。
例えば、
・血糖値測定器
・インスリンポンプ
・持続血糖測定器
・その他個人治療用の医療機器
などです。
ただしインスリンポンプや持続血糖測定器の中には、空港の一部セキュリティ機器の影響を受ける製品があります。
メーカーの旅行・空港検査に関する注意事項も確認しておきましょう。
薬は機内持込手荷物に入れる?
法律上の「旅行者免除」では、薬が本人の旅行荷物として持ち込まれることが重要です。
実際の旅行では、日常的に必要な薬をすべて預け荷物へ入れてしまうのはおすすめできません。
スーツケースが遅延・紛失する可能性があるからです。
毎日必要な薬、インスリンなど温度管理が必要な薬、緊急時に使う薬は、航空会社や空港保安規則を確認したうえで機内持込手荷物へ入れておくと安心です。
処方箋や英文レターも、薬と一緒にすぐ取り出せる場所へ入れておきましょう。
家族の薬をまとめて持って行ける?
旅行者免除では、本人だけでなく一緒に旅行する近親者の薬も対象になります。
例えば小さな子供の処方薬を親が管理して持って行くことはできます。
ただし、日本にいる親戚や友人へ渡す目的で薬を持ち込むことは、旅行者免除の趣旨から外れます。
処方薬なら、誰に処方された薬なのか分かるようにしてください。
3か月を超える長期滞在では?
ワーキングホリデー、留学、長期出張などでは、3か月を超えてオーストラリアに滞在することがあります。
しかし入国時の旅行者免除で持ち込める薬は原則として3か月分までです。
長期滞在する場合は、出発前に医師と相談し、現地で同等の薬を処方してもらえるか確認しておくとよいでしょう。
薬によってはオーストラリアで同じ商品名が使われていなくても、同じ成分の医薬品が販売されています。
旅行中に薬がなくなったら?
オーストラリア滞在中に処方薬がなくなった場合は、現地のGPなど登録された処方権者を受診し、オーストラリアの処方箋を発行してもらう方法があります。
その処方箋を持って薬局で薬を購入します。
ただし、日本で使用している薬と同じ製品がオーストラリアで承認・販売されているとは限りません。
薬の商品名だけでなく、一般名・有効成分名が分かる資料を持っておくと、現地の医師に説明しやすくなります。
日本から後で薬を郵送してもらえる?
ここは注意が必要です。
自分で飛行機に乗って薬を持ち込む「旅行者免除」と、後から郵便・宅配便で薬を送ってもらう「個人輸入」は、同じ制度ではありません。
郵送・宅配便の場合は、TGAの個人輸入制度(Personal Importation Scheme)が関係します。
2026年9月にこの制度の条件も更新されました。
一般的には1回につき3か月分までですが、オーストラリアで処方薬に分類される薬を郵送で輸入する場合には、輸入時点で有効なオーストラリアの処方箋または書面による権限が必要になるなど、旅行者が自分で携帯して入国する場合より条件が厳しくなります。
「持参」と「郵送」ではルールが違う
| 旅行時に自分で持参 | 日本から郵送 | |
|---|---|---|
| 主な制度 | 旅行者免除 | 個人輸入制度 |
| 数量 | 原則3か月分まで | 通常1回3か月分まで |
| 処方薬 | 医師の処方箋・レターを携帯 | 豪州の処方箋等が必要になる場合あり |
| 管理薬 | 旅行者免除で認められるものあり | より厳しい輸入制限あり |
| 包装 | 元の包装 | 元の包装・識別可能なラベルが必要 |
「3か月分までなら日本から自由に郵送してもらえる」と考えないようにしてください。
長期滞在では、現地の医師から処方してもらう方法も含めて計画しておくのがおすすめです。
自分の薬が持ち込めるか調べる方法
薬の商品名だけで検索するより、まず有効成分名を確認してください。
日本とオーストラリアでは同じ成分でも商品名が違うことがあります。
そのうえで、ABFの「持ち込めるもの・持ち込めないもの」検索、ODCの旅行者向け情報、TGAの旅行者向け医薬品情報を確認します。
規制薬物の可能性がある場合は、出発前にODCまたはTGAへ問い合わせるのが確実です。
空港で初めて「この薬は大丈夫でしょうか」と確認するより、事前確認しておくほうが安心です。
出発前チェックリスト
| チェック | 確認内容 |
|---|---|
| □ | 薬の有効成分名を確認した |
| □ | 旅行者免除の対象か確認した |
| □ | 3か月分以内になっている |
| □ | 本人または同行家族が使用する薬である |
| □ | 元の包装・薬局ラベルを残した |
| □ | 処方薬の英文処方箋または医師のレターを用意した |
| □ | 薬名と用量が英文書類に書かれている |
| □ | 規制薬物なら追加許可が不要か確認した |
| □ | 入国時に申告する準備をした |
| □ | 常用薬は必要に応じ機内持込手荷物へ入れた |
| □ | 旅行中に不足した場合の対応も考えた |
迷ったら申告するのが基本
オーストラリアは医薬品の持ち込み規制が厳しい国というイメージがあります。
しかし、一般的な旅行者が自分の治療のために必要な処方薬を持参すること自体は、珍しいことではありません。
基本は、
3か月分以内。
本人または同行家族が使用。
元の包装。
処方薬なら英文処方箋または医師のレター。
そして入国時に申告。
この5点です。
血圧薬や糖尿病薬だけでなく、睡眠薬、ベンゾジアゼピン系薬、ADHD治療薬、モルヒネなどの管理薬であっても、旅行者免除によって持参できるものがあります。
一方、コデインを含む薬には処方箋が必要で、一部の成分、ニコチン製品、CBD・THC製品などには別の規則があります。
特に日本の市販薬は、商品名だけを見て判断しないことが大切です。
成分を確認し、分からなければ申告する。
申告したから没収されるわけではありません。
むしろ正しく申告し、英文の処方資料と元の包装を見せることが、最も安全でスムーズな方法です。
常用薬がある人は、航空券やホテルの準備と同じように、出発前の旅行準備のひとつとして薬の持ち込み条件も確認しておきましょう。
よくある質問
多くの処方薬は旅行者免除によって持ち込めます。原則3か月分以内、自分または同行する家族の使用目的、元の包装、医師の処方箋またはレターを携帯するなどの条件があります。
処方薬については、英文の処方箋または医師のレターを用意してください。ABFは英語の処方箋またはレターを携帯するよう案内しています。少なくとも薬の名称、用量、本人に処方された薬であることが分かる内容が必要です。
旅行者免除では原則3か月分までです。医師の処方量や製品に記載された用量をもとに判断されます。
薬や規制対象になり得る品物を持参している場合は申告するのが基本です。市販薬でも成分によって規制が異なるため、元の包装に入れたまま持参し、迷う場合は申告してください。
ベンゾジアゼピン系の睡眠薬・抗不安薬なども、旅行者免除の条件を満たせば持参できるものがあります。英文の処方箋または医師のレター、元の包装、3か月分以内、入国時の申告が重要です。
メチルフェニデートなど、管理対象でも旅行者免除で持ち込める処方薬があります。薬ごとに条件を確認し、英文の処方資料を必ず用意してください。
入国時は何の薬か確認できる元の包装・薬局ラベルを残しておくことをおすすめします。錠剤だけを無表示の袋やピルケースへ移してしまうと、薬を特定できず確認に時間がかかる可能性があります。
はい。インスリンや必要な医療機器は持参できます。注射針・注射器を機内へ持ち込む場合は医師のレターや医療証明を準備し、航空会社のルールも確認してください。
郵送による医薬品の輸入は、旅行者が自分で持参する場合とは別の個人輸入制度が適用されます。処方薬ではオーストラリアの処方箋が必要になる場合もあるため、単純に日本から送ればよいとは限りません。現地のGPなどから処方を受ける方法も検討してください。
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