エアーズロック(ウルル)
エアーズロックは、ノーザンテリトリー準州のウルルカタジュタ国立公園(旧名:エアーズロック・マウントオルガ国立公園)、南緯25度23分、東経131度5分の、オーストラリア大陸ほぼ中心にある。その形と位置から、エアーズロックは「オーストラリアのへそ」、あるいは「地球のへそ」などとも呼ばれている。
シドニーより直線距離で2120キロ、実際には陸路で直線ではいけないので、メルボルン、アデレード経由になり、約2900キロ、約32時間、実質3日間のドライブとなる。
エアーズロックは海抜868メートル、比高(周囲の平地と比較した高さ)335メートル、周囲の長さ9.6キロ、最大斜度48度、平均斜度45度。
エアーズロックは、1987年にユネスコより世界自然遺産に登録され、1994年にアボリジニの伝統的な文化、芸術も評価されて世界文化遺産にも登録、エアーズロックは「自然」と「文化」の2つの世界遺産として登録される、世界でも稀な観光地である。
よくエアーズロックは「世界最大の一枚岩」と紹介されているが、実はこれは間違いであり、世界最大の一枚岩は、同じオーストラリアでも西オーストラリア州の「マウントオーガスタ」であり、エアーズロックは世界で2番目に大きい一枚岩である。
エアーズロックの正式名称
エアーズロックは1873年に、イギリスの探検家により「発見」されて、西欧文明にその存在を知られることになった。その当時の西オーストラリア提督、ヘンリー・エアーズの名前より、「エアーズロック」の名前が付けられた。
しかしながら、エアーズロックは1873年に「発見」される以前に、オーストラリアの先住民、アボリジニの人々の最も重要な聖地であり、アボリジニの人々の間では、「ウルル」(Uluru)と呼ばれていた。
オーストラリアでは、近年、アボリジニの人々の習慣、考え方を尊重する運動が高まり、1995年に西欧人の付けた「エアーズロック」の呼び方を改め、アボリジニの人々の呼び方、「ウルル」と呼ぶことを決定、あわせてエアーズロックと同じ国立公園にある「マウントオルガ」も、「カタジュタ」(KATA TJUTA)と呼ぶことに正式に決定した。
アボリジニの人々は1万年前からこのエリアに住んでいたと言われ、このエアーズロック周辺の土地は、アボリジニの人々へ返還され、99年のリース契約で、オーストラリア政府にリースされている。
その決定を受け、現在は「エアーズロック・マウントオルガ国立公園」より、「ウルル・カタジュタ国立公園」と名称も変更され、現在にいたっている。
エアーズロックの歴史
元々エアーズロックは海抜8000メートル級の高山であったが、造山活動と風雨による侵食で現在の姿になったと想像される。地表に出ているのは、岩の全体のわずか5パーセント、そして地下でマウントオルガ(カタジュタ)と繋がっているといわれている。
エアーズロックの表面は赤くなっているが、これは鉄分を多く含む砂岩で出来ているため、空気中の酸素と反応して酸化したため、赤く見える。エアーズロックを含む周辺の、オーストラリア大陸中心部の地域は、「レッドセンター」と呼ばれているが、これは砂漠が赤い砂でおおわれているため。
エアーズロックへのアクセス
エアーズロックの玄関口、エアーズロック空港へは、カンタス航空がシドニーとケアンズから。ジェットスター航空がシドニーとメルボルン、ヴァージン・オーストラリア航空がシドニーから乗り入れている。
アリススプリングス空港も、エアーズロック空港の玄関口として利用されることがあるが、エアーズロックまで片道3時間半もかかるので、アリススプリングス出発のキャンプツアーなどに参加して、エアーズロックを訪れる、あるいはレンタカーを借りて、途中キングスキャニオンなどを観光しながら、という場合に限られる。
エアーズロックの観光
エアーズロックに行くには、国立公園入園券を購入しなくてはいけないが、レンタカー等で個人で行く場合は、エアーズロック・リゾートのホテル・フロントデスク、国立公園入り口のゲートにて購入可能。
ツアーに参加する場合は、そのツアーに国立公園入園料が含まれていない場合は、ツアーガイドより購入すればOKだ。子供も同料金。国立公園の入園料は、現在$25で3日間有効。
エアーズロックの観光を行う場合、一般的に下記のパターンが基本的なパターンになる。
- マウントオルガ観光
- エアーズロックサンセット鑑賞
- エアーズロックサンライズ鑑賞
- エアーズロック登山
エアーズロックへ訪れる際、最低でも上記の4つの要素はクリアするようにしたい。時間がない人は、この4つを1泊2日でまわる事も可能だ。
エアーズロック到着日に、マウントオルガ観光とエアーズロックのサンセットを鑑賞、翌日エアーズロックのサンライズと登山を行うこともできる。
上記に時間があれば、更に1泊して、キングスキャニオンの1日観光をプラス人も多い。できれば、エアーズロックを訪れるなら、2泊はしたいところだ。
エアーズロックを観光する際、通常「昼間1度見に行く」という人はあまりいなく、一般的に「サンセット(日の入り)時」と「サンライズ(日の出)時」に見に行く人が多い。これは、夕陽、あるいは朝陽を浴びるエアーズロックは、日の入り、日の出にあわせて刻々とその色を変化させ、赤く輝いて行くのが大変美しいため。また、ごく短い冬季を除いて、昼間の気温が非常に高いため、それを避けるという意味あいもある。
サンセットのエアーズロック鑑賞の際に、シャンペンで乾杯しながら鑑賞、というのが人気があるか、ツアーバスの場合、ツアー会社が国立公園事務所に許可を取っているので問題ないが、個人旅行の場合は、国立公園内での飲酒は禁止されているので注意。
エアーズロック登山
エアーズロック(ウルル)登山は2019年10月で禁止となりました。
エアーズロック登山は日本人観光客に人気があり、普通もっとも登山口の開いている可能性の高い、サンライズ鑑賞後の早朝に行く人が多い。最大斜度48度は半端な勾配ではなく、最初の急な坂は、岩に張られた鎖につかまって、まさによじ登るという雰囲気。過去にもこの登山で岩から転落し、亡くなった方もいるので、十分に注意しよう。少しでも無理だと思ったら、無理をせず、引き返すこと。
やっと急坂を登りきった所で、エアーズロックの写真を見ての通り、なだらかに見える面になるが、ここでもまだ行程の約1/3。本当に大変なのはここからで、エアーズロックの表面は写真をよく見るとわかる通り、その岩が雨等に浸食されて、多くの溝ができてる。これは山頂付近も同じで、急坂を登った後の残り2/3の行程は、山頂まで延々とこの溝を登ったり、降りたりを繰り返す。この溝が所々意外に高く、一部よじ登ることが必要。
その後にようやくエアーズロックの山頂にたどり着くことができる。山頂には小さなモニュメントがあり、遠くマウントオルガも望め、360度の大展望がひらける。エアーズロック山頂には、真夏でも涼しい風が吹きぬけ、ここまでの苦労が半端ではないので、雄大な大平原の景色とともに、大きな感動が胸を打つのは間違いない。
エアーズロックの登山は、約2-3時間かかり、一般的な健康な男女であれば問題ないと思うが、体調が悪いとき、あまり健康に自信がない場合は、途中で引き返した方が無難だ。登山靴までは必要ないが、スニーカー、動きやすい服装で。子供連れの場合、手を引いて登るのは無理。背負子などを用意して、背負って登ってる親子連れは見かけるが、最初の急勾配は危険なので、あくまで自己責任の登山となる。
エアーズロックの登山は、実はできる確率の方が低い。エアーズロックの登山口は、気温の上昇、低気圧の発生、風などで一定の基準を上回ると、クローズされてしまうためだ。また、エアーズロックを所有する、アナング族の宗教行事がある時も、クローズされる。正確な統計はないが、そのため、エアーズロック登山が出来た場合、「ラッキーだったね」と言われるくらいの確率である。
エアーズロックの登山口が閉まる条件は下記の通りだ。一番条件が良いのは、エアーズロック観光のオンシーズンの7-11月といえる。
- 気温・・ その日の最高気温が36度以上に気温が上がると予想される場合、朝の8時にクローズ
- 風・・ 2500フィート(25ノット)以上の風が吹くと予報された場合
- 強い低気圧・・ エアーズロック50キロ以内の北西又は南西に強い低気圧が観測された場合
- 雨・・ 今後3時間以内に20%以上の確率で降雨が予報された場合
- 雷・・ 今後3時間以内に5%以上の確率で雷雲の発生が予報された場合
- 曇天・・ エアーズロックの山頂より低く雲が出ている場合
- 明るさ・・ 日の出の1時間半以上前、及び日の入り後1時間半後
- 救援活動・・ エアーズロックにて救援活動が行われている場合
- 文化的な理由・・ アボリジニの人の宗教・文化的な行事が行われる場合
エアーズロックは砂漠にあるため、一日中登山口がオープンしているのは、6月、8月を除いて極稀である。一番オープンしている確率が高いのが、早朝の8時前、そのためほとんどのツアーは、早朝サンライズ鑑賞の直ぐ後に登山口へ向かう。夏場の1月、2月は、朝から気温が36度を超える日が続くので、もっともクローズになってしまう可能性が高い。
下記の資料は、エアーズロックでツアーを行うAAT Kings社による、自社の日本語ツアーにおける登山ができた確率を表す統計資料なので、参考とするとよいだろう。
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