ヴァージン・オーストラリア航空、東京(羽田)・ケアンズ線の運行中止を発表
2025年2月24日をもって、ヴァージン・オーストラリア航空は東京(羽田)とケアンズを結ぶ直行便の運行を中止すると発表しました。
この決定は、需要の低迷により、同路線の商業的な継続が困難となったためです。この記事では、この運行中止の背景、需要の低迷と経済的影響、観光業への影響、そして今後の対策と展望について詳しく解説します。
運行中止の背景
ヴァージン・オーストラリア航空は、2023年6月に東京(羽田)とケアンズを結ぶ新たな直行便を開設しました。この新しい路線は、クイーンズランド州政府の200百万ドルの航空投資基金の支援を受けて始まりました。
特に、ヴァージン・オーストラリア航空はこの路線を利用して、ケアンズ地域への観光客増加を図り、地域経済の活性化を目指していました。
同航空会社のCEO、ジェーン・ハードリッカ氏は、東京(羽田)・ケアンズ線の運行開始を発表した際、非常に楽観的な見通しを示していました。「ヴァージン・オーストラリア航空は、持続可能な方法で日本市場への進出を果たすことを目指している」と述べ、特別運賃セールやキャンペーンを通じて多くの顧客を引き付けることに成功しました。
しかし、予期せぬ需要の低迷が続きました。特に、新型コロナウィルスのパンデミック後の、日本からオーストラリアへ訪れる観光客の旅行需要の回復が遅れていることが影響しており、商業的に持続可能な運行が困難となったのです。
同社は、「日本からオーストラリアへの渡航者数はゆっくりと回復している」としていますが、その数は依然として「コロナ以前のレベルを最大35%下回っている」と述べています。
ハードリッカ氏は、「日本からの旅行需要が当初の予測を大きく下回っており、路線の商業的な継続が困難であることが明らかになった」と述べています。
ヴァージン・オーストラリア航空の発表では触れられていませんが、東京・ケアンズ線、大阪・ケアンズ線を運行する、LCCのジェットスター航空との料金競争による低収益、というのも原因の1つであると考えられます。
経済的影響
経済的には、この運行中止はケアンズ地域にとって大きな打撃となります。クイーンズランド州政府は、この路線が地域経済に年間約70百万ドルの経済効果をもたらすと期待していました。また、約680の雇用創出も見込まれていましたが、この運行中止により、これらの経済効果が失われることとなります。
ケアンズ地域の観光業界は、この路線がもたらす観光客増加の効果を大いに期待していました。ケアンズ空港のCEOであるリチャード・バーカー氏は、直行便の運行中止が地域の観光業にとって大きな打撃となると述べています。また、この路線は地域の経済回復を促進するための重要な要素であったとしています。
さらに、観光業界のリーダーたちは、この運行中止が地域の観光客誘致戦略に与える影響について懸念を示しています。特に、日本市場はケアンズ地域にとって重要な市場であり、多くの日本人観光客が同地域を訪れることを期待していました 。
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