カカドゥ国立公園
カカドゥ国立公園は、ノーザンテリトリー(北部準州)の州都ダーウィンから東に250km、車で3時間の場所にある、ユネスコ世界複合遺産の巨大国立公園だ。その大きさは、日本の四国と同じくらいである。熱帯気候に位置するため、マングローブが生い茂る湿原が広がっており、様々な野鳥やワニ、バッファローなどが生息する動植物の楽園となっている。
気温は年間を通して30度前後だが、雨季と乾季に分かれるため、雨季(11月から3月頃)には未舗装の道が封鎖され、アクセスができなくなる場所もある。
しかし、滝や湖などは雨量が乾季よりも増し、迫力のあるカカドゥを体験できるのもまた、雨季の醍醐味でもある。逆に乾季(2月から10月頃)は、からっとした過ごしやすい気候となり、アクセスできる場所もぐっと増えるので、滝壺での水遊びやハイキングなどを思う存分多能できる。
総面積約197万5500ヘクタールの広大なカカドゥ国立公園は、約6万年以上も前からアボリジニーの人々が住んでいた形跡がある。文字を持たない彼らの古代の生活ぶりをうかがい知るには、公園内の2か所に残る壁画を訪れてみよう。
まず、ウビルーでは、全長約1kmに渡って3か所の壁画を見ることができる。有名な漁師やウミガメの壁画から、その場所がかつては雨季に川が氾濫して作られた氾濫原であったことや、文字を持たず、建設された家屋に住まない彼らがどのようにしてこの地で生活していたかなどをうかがい知ることができる。
比較的新しいと言われる「X線画法」で描かれた亀や魚のを見ることができるのもまた、ウビルーである。小高い丘の展望台からは、アーネムランドの大湿原が一望でき、ここは夕日の眺めは絶景である。
もう1か所壁画をご覧いただけるのが、ノーランジーロック。ここでは、約1.5kmに渡って、同じく3か所の壁画を見ることができる。自由に雷を操ることができる「雷男(ナマルゴン)の壁画は特に有名である。
ワラジャン・アボリジナルカルチュラルセンターでは、この地に古代から住むアボリジニーの文化や生活様式などを学ぶことができる。
カカドゥ国立公園では、季節により全く違う顔を見せる滝や川もまた、魅力の一つである。ガンロム滝やマグック渓谷では、人里離れた自然のスパでゆっくりくつろぐことができる。また、ジムジム滝やツイン滝は、滝壺での水遊びの他、ブッシュウォーキングを楽しむこともできる。雨季には乾季の際とは全く違う、迫力のある滝を見ることができる。
また、カカドゥ国立公園は約1万頭のワニが生息しており、イエローウォータークルーズでは湿地にてイリエワニや多くの野鳥を観察することができる。
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