マライア島
タスマニア本島の東、タスマン海に浮かぶマライア島は、ガスも電気も水道もなく、まさに人里から離れ隔離された自然の孤島である。
タスマニア本島の小さな町トライバナから1日2往復のフェリーにてマライア島に渡る。島には車を持ち込むことができないため、島内の移動手段は徒歩あるいは自転車である。
島全体が国立公園で豊かな自然に恵まれてるため、島内には様々な野鳥や野生動物が生息している。中でもタスマニア本島で絶滅の危機に瀕しているタスマニアン・デビルを、保護・繁殖を目的のため、この島に放しているプロジェクトもある。また、島の至る所でカンガルーやウォンバットを目にすることができる。
マライア島は、 1825年から1832年、そして 1842年から1851年まで、囚人の収容地としての役割を果たしていた。一連の施設は島内北部のダーリントンに保護観察ステーションとして残っており、現在でな世界文化遺産として登録されている。また、1825年に建てられた 「Commissariat Store」 は、現在ではマライア島の情報を訪問者に提供するインフォメーション・センターの役割を果たしている。
1900年代からはセメント業が栄え、マライア島内にコンクリート工場が建設され、住民も増えたが、すぐに産業は下火となり、住民も離れ、現在は島全体が国立公園のため数人のレンジャー以外は住民がいない無人島である。
マライア島の見どころは、体力があればぜひチャレンジしていただきたい Bishop and Clerk (往復約4時間)や、 Mount Maria (往復約6-7時間)のトレッキング、また比較的アクセスが簡単な The Painted Cliffs (砂岩が酸化鉄により各地層がグラデーションの縞模様になっている美しい海岸線の崖)と、 The Fossil Cliffs (古代化石を含む石灰岩の塊が海岸線に多く見られる)などがあるが、その他シュノーケリング、ダイビング、野鳥や野生動物の観察など、数多くのアクティビティを楽しむことができる。ただし、マライア島内には設備の整ったホテルや売店は存在しないので、宿泊を希望の場合は簡易ベッドとトイレなどの設備のみある旧収容所の建物の施設に宿泊、またはキャンプ場にてキャンプをするかの選択となる。いずれの場合においても、食料や飲み水、懐中電灯などは持参する必要がある。
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