オーストラリアの貝類完全ガイド|牡蠣・アワビ・ホタテ・ムール貝など種類と食べ方を紹介

オーストラリア旅行でシーフードを楽しむなら、ロブスターやカニだけでなく、土地ごとに個性のある貝類にも注目してみてください。シドニー周辺のシドニーロックオイスター、南オーストラリア州のパシフィックオイスター、タスマニアやビクトリア州のアワビ、バス海峡のホタテ、ポートリンカーン周辺のムール貝など、旅先によって顔ぶれが大きく変わります。

日本でも牡蠣、アワビ、ホタテ、アサリなどはなじみ深い食材ですが、オーストラリアでは同じように見えても種類や呼び名が違うことが少なくありません。例えばPacific Oysterは日本のマガキと同じ種ですが、Sydney Rock Oysterはオーストラリア東岸原産の別種。Scallopも、日本で一般的なホタテガイとは異なる種類が主に流通しています。

さらに、南オーストラリア州ではPipi(ピピ、Goolwa Cockle)やVongole(ヴォンゴレ/Mud Cockle)といった、日本人には少し聞き慣れない二枚貝も食べられています。西オーストラリア州北部では、真珠を作るSilverlip Pearl Oysterの貝柱部分が「Pearl Meat」として食材になることもあります。

一方で、海岸で見つけた牡蠣やムール貝を自分で採って食べるのは別の話です。二枚貝は海水中の微生物や自然毒を体内に蓄積することがあり、州政府が野生貝の採取・摂取について健康警告を出すことがあります。旅行者は、基本的に正規に流通する商品を魚市場やレストランで楽しむのが安心です。

この記事では、日本からオーストラリアを訪れる旅行者向けに、代表的な貝の種類、主な産地、日本の貝との違い、味と食べ方、旬、魚市場やレストランでの注文方法、野生貝を採る場合の注意点までまとめて紹介します。

オーストラリアの貝類とは?

オーストラリアは熱帯のサンゴ礁から、南部の冷たい海、湾、河口、砂浜、岩礁まで海の環境が非常に多彩です。そのため、同じ「貝類」でも北部と南部では食卓に上る種類がかなり違います。

牡蠣は産地名まで見ると面白い

ニューサウスウェールズ州では在来種のSydney Rock Oysterが名物。南オーストラリア州やタスマニア州ではPacific Oysterが広く養殖されています。レストランでは単に「Oyster」と書かず、Coffin Bay、Smoky Bay、Port Stephensなど産地名を前面に出す店も珍しくありません。

南部はアワビとホタテが強い

タスマニア州、ビクトリア州、南オーストラリア州、西オーストラリア州南部ではアワビ漁業が発達しています。また、タスマニアやバス海峡周辺ではCommercial Scallopが重要な水産資源です。

砂浜の貝も立派なローカル食材

南オーストラリア州のPipiは「Goolwa Cockle」の名前でも知られ、レストランではパスタや蒸し料理に使われます。Vongoleという名前で流通するMud Cockleもあり、イタリア料理との相性が良い食材です。

オーストラリアで食べられる主な貝類

旅行中に魚市場やレストランで出会いやすいものを挙げると、オイスター、アワビ、スキャロップ、ブルーマッスル、ピピ、ヴォンゴレが代表的です。

「Shellfish」は貝だけではない

英語のShellfishは、日本語の「貝類」より意味が広く、牡蠣やムール貝などの軟体動物だけでなく、エビ、カニ、ロブスターなどの甲殻類を含めて使われることがあります。貝だけを指したい場合はMolluscs、二枚貝ならBivalvesという言葉が使われます。

日本と同じ種類とは限らない

Pacific Oysterは日本のマガキと同じ種ですが、Sydney Rock Oyster、Commercial Scallop、Pipiなどは日本の一般的な牡蠣、ホタテ、アサリとは別の種類です。見た目が似ていても、味や食感に少しずつ違いがあります。

オーストラリアの貝類基本情報

日本語表記英語名主な地域・特徴
シドニーロックオイスターSydney Rock OysterNSW~QLD。東海岸原産の小ぶりで濃厚な牡蠣
パシフィックオイスターPacific OysterSA、TASなど。日本のマガキと同種
アンガシオイスターNative / Angasi Oyster南部の在来平牡蠣。Ostrea angasi
ブラックリップアワビBlacklip AbaloneTAS、VIC、SA、NSWなど南部
グリーンリップアワビGreenlip AbaloneSA、WA、TASなど。大型で高級食材
コマーシャルスキャロップCommercial Scallopバス海峡、TAS、VIC。日本のホタテガイとは別種
ブルーマッスルBlue Mussel南部沿岸。ワイン蒸しなどで人気
ピピPipi / Goolwa CockleSAを代表する砂浜性二枚貝
ヴォンゴレVongole / Mud CockleSA。Katelysia属の3種を商業漁獲

主な産地・生産地

オーストラリアでは、貝の種類だけでなく「どこで育ったか」を売りにする文化があります。特に牡蠣はワインのように産地で選ぶ楽しみがあります。

ニューサウスウェールズ州

Sydney Rock Oysterの本場です。州内の河口・入り江で養殖され、シドニーのレストランや魚市場では産地名付きで並ぶことがあります。Port StephensではPacific Oysterも養殖されています。

南オーストラリア州

Pacific Oysterの一大産地で、Coffin Bay、Ceduna、Smoky Bay、Streaky Bay、Cowell、Yorke Peninsula周辺、Kangaroo Islandなどで養殖されています。Lower Spencer GulfのPort Lincoln周辺ではBlue Musselも養殖されています。

タスマニア州

Pacific Oyster、Angasi Oyster、Commercial Scallop、Blacklip Abaloneなど冷たい海の貝類が豊富です。ホバートのレストランや魚店では、タスマニア産というだけでなく湾や生産者まで表示することもあります。

ビクトリア州

Blacklip AbaloneとCommercial Scallopが代表的。Port Phillip Bayにはダイバーが採るCommercial Scallopの漁業もあります。

西オーストラリア州

南部ではアワビやムール貝など、北西部のBroomeやKimberleyではSilverlip Pearl Oysterを利用する真珠養殖が有名です。真珠産業から生まれるPearl Meatも西オーストラリア州ならではの食材です。

天然漁と養殖

オーストラリアの貝類は、種類によって天然漁と養殖の比重が大きく異なります。

牡蠣・ムール貝は養殖が中心

牡蠣は海中の植物プランクトンなどを濾過して育つため、魚類養殖のように大量の餌を与えずに育てられます。南オーストラリア州ではPacific Oyster、Blue Musselとも重要な海面養殖品目です。

アワビはダイバーが1個ずつ採る

天然アワビの商業漁では、ダイバーが海底の岩礁からアワビを専用の道具で剥がして採取します。漁獲枠、区域、最低サイズなどの管理が行われます。

ホタテは資源量に応じて漁場を開閉

Commercial Scallopは年によって資源量の変動が大きく、調査結果を踏まえて漁獲可能区域や漁獲量が設定されます。タスマニアでは2026年も調査に基づいて商業漁場が段階的に開かれています。

1.オイスター(牡蠣)

オーストラリア旅行で最も食べやすい貝類は、やはりオイスター(Oyster)です。シーフードレストラン、ワインバー、ホテル、魚市場など幅広い場所で見つかります。

Sydney Rock Oyster

ニューサウスウェールズ州からクイーンズランド州南部にかけての東海岸を代表する在来牡蠣。Pacific Oysterより小ぶりなものが多く、塩味、甘み、ミネラル感が凝縮した味わいが特徴です。

Pacific Oyster

南オーストラリア州やタスマニア州で広く養殖されています。日本原産のマガキと同じ種なので、日本人にはなじみやすい牡蠣です。ただし育つ海によって塩味や甘み、身質が変わるため、産地違いを食べ比べるのもおすすめです。

Angasi Oyster

Native Oyster、Australian Flat Oysterとも呼ばれるオーストラリア南部の在来種。平たい形の大型牡蠣で、Pacific Oysterほど流通量は多くありませんが、見つけたら試したいローカル食材です。

生牡蠣はNaturalの意味を知っておく

メニューの「Oysters Natural」は、基本的に殻を開けた生牡蠣をレモンやビネガー系ソースと一緒に食べるスタイルです。「Kilpatrick」はベーコンとウスターソース系の味付けで焼く、オーストラリアで長く親しまれてきた定番料理です。

2.アワビ

Abalone(アバローニ)は、オーストラリアを代表する高級水産物の一つです。日本と同じく祝いの席や高級料理に使われる一方、中国・香港など東アジア向け輸出との結び付きも強い食材です。

Blacklip Abalone

殻の縁や足周りが黒っぽく見えるアワビで、タスマニア州、ビクトリア州、南オーストラリア州など南部に広く分布します。歯応えがあり、刺身、蒸し、グリル、バター焼きなどに使われます。

Greenlip Abalone

外套膜の縁が緑色を帯びる大型のアワビ。南オーストラリア州や西オーストラリア州などが主要産地で、身が厚く高級食材として扱われます。

日本の「鮑」と同じ感覚で注文できる

英語メニューではAbaloneと書かれます。日本料理店では刺身や酒蒸し風、中華料理店では煮込み、オーストラリア料理ではバターやハーブを使ったグリルなど、店によって食べ方はさまざまです。

3.スキャロップ(ホタテ類)

オーストラリアでScallopと呼ばれる貝は、日本で一般的なホタテガイと同じとは限りません。南東部で代表的なのがCommercial Scallop(Pecten fumatus)です。

Commercial Scallop

Tasmanian Scallop、Southern Scallop、King Scallopなどの別名があります。扇形の殻を持ち、貝柱を中心に食べる点は日本のホタテと同じです。

Saucer Scallop

クイーンズランド州や西オーストラリア州ではSaucer Scallopも商業漁獲されます。日本のホタテより殻が平たく、暖かい海域に分布する別種です。

レストランでは貝柱だけで出ることが多い

「Seared Scallops」と書かれていれば、貝柱の表面を香ばしく焼いた料理が一般的です。カリフラワーピューレ、バターソース、ベーコン、柑橘などとの組み合わせはモダン・オーストラリア料理でもよく見かけます。

4.ブルーマッスル(ムール貝)

Blue Musselは、オーストラリア南部沿岸で見られるムール貝です。南オーストラリア州ではLower Spencer Gulf、Port Lincoln周辺を中心に養殖されています。

白ワイン蒸しは定番

白ワイン、ニンニク、ハーブで蒸し、パンを添える食べ方はオーストラリアでも定番です。トマトベース、クリーム、ビール蒸し、タイ風のココナッツミルクなど、多文化社会らしい味付けも楽しめます。

比較的手頃に楽しめる

牡蠣やアワビに比べると、一皿をシェアしやすく価格も比較的手頃。ワイン産地を旅行しているときのランチや、シーフードレストランの前菜にも向いています。

殻が開かないものは無理に食べない

蒸し料理で加熱しても閉じたままの貝は、店では通常取り除かれます。旅行中に自炊する場合も、保存状態や加熱方法には注意しましょう。

5.ピピとヴォンゴレ

Pipiは、オーストラリア南東部の砂浜に生息する二枚貝です。南オーストラリア州ではGoolwa Cockleとも呼ばれ、Coorong周辺の代表的な水産物になっています。

Pipiはアサリに似た使い方

日本のアサリとは別種ですが、料理では近い感覚で使えます。白ワイン蒸し、トマトソース、パスタ、スープなど、貝の出汁を生かした料理によく合います。

Vongoleは南オーストラリア州の正式な漁業名にもなっている

南オーストラリア州のVongole Fisheryでは、Katelysia属のMud Cockle 3種がWest Coast、Coffin Bay、Port Riverの3区域で漁獲されています。レストランでは「Vongole」の名前でパスタに使われることがあります。

PipiとVongoleは同じものではない

どちらも小型の二枚貝で料理の使い方も似ていますが、別のグループです。南オーストラリア州でメニューを見るときは、Pipi、Goolwa Cockle、Vongoleという3つの言葉を覚えておくと役立ちます。

地域別に見る「食べたい貝」

旅行先別に、見つけたら食べてみたい貝をまとめると次のようになります。

シドニー・ニューサウスウェールズ州

Sydney Rock Oysterが第一候補です。シドニー市内には州内各地の牡蠣が集まるため、産地違いの食べ比べも楽しめます。

アデレード・南オーストラリア州

Pacific Oyster、Greenlip Abalone、Blue Mussel、Pipi、Vongoleと選択肢が豊富です。特にCoffin Bay Oysterは南オーストラリア州を代表するブランド食材として広く知られています。

ホバート・タスマニア

Pacific Oyster、Angasi Oyster、Commercial Scallop、Blacklip Abaloneが候補。冷たい海のシーフードを一度に楽しみたい人に向いています。

メルボルン・ビクトリア州

地元のBlacklip AbaloneやPort Phillip Bay周辺のScallopに注目。大都市なので、タスマニアや南オーストラリア州など近隣州の牡蠣も集まります。

パース・西オーストラリア州

Greenlip Abaloneのほか、南部産のムール貝や牡蠣、北西部のPearl Meatなど、西海岸ならではの食材を探してみてください。

日本語と英語で違う貝の呼び名

貝類は英語名を知っていると、メニューが一気に読みやすくなります。

Oyster=牡蠣

ただし種類はSydney Rock、Pacific、Angasiなどがあります。産地と種類の両方が書かれている店もあります。

Abalone=アワビ

Blacklip、Greenlipなど種類を付けて表示することが多く、日本語の「黒アワビ」「青アワビ」と単純に対応するわけではありません。

Scallop=ホタテ類

日本のホタテガイそのものとは限りません。Tasmanian Scallop、Commercial Scallop、Saucer Scallopなどを見かけます。

Mussel=ムール貝

Blue Musselが代表的です。「Mussels」と複数形で料理名に書かれることが多く、白ワイン蒸しやトマト煮で出てきます。

Clam、Cockle、Pipi、Vongole

日本語ではまとめて「アサリのような貝」と感じますが、現地では別の名前で区別されます。Vongoleはイタリア語由来の料理名だけでなく、南オーストラリア州では漁業の正式名称にも使われています。

オーストラリア国内での人気

牡蠣はオーストラリアの外食で非常に身近な食材です。生牡蠣を半ダース、1ダース単位で注文したり、シーフードプラッターに入れたりするほか、Kilpatrickのような加熱料理も定番です。

ムール貝やスキャロップはレストラン料理で使われることが多く、アワビはより高級な位置付けです。PipiやVongoleは全国どこでも見かけるというより、南オーストラリア州やシーフードに力を入れたレストランで出会いやすいローカル食材です。

オーストラリアでの食べ方

オーストラリアの貝料理は、素材をシンプルに食べるものから、ヨーロッパ・アジア系の調理法まで非常に幅があります。

Oysters Natural

生牡蠣をレモン、ミニョネット、ビネガーなどで食べる最もシンプルなスタイル。産地ごとの味を比べるならNaturalがおすすめです。

Oysters Kilpatrick

刻んだベーコン、ウスターソースなどをのせて焼く定番。生牡蠣が少し苦手な人でも食べやすい調理法です。

Seared Scallops

スキャロップの貝柱を強火で焼き、表面を香ばしく、中をしっとり仕上げます。前菜として数個だけ美しく盛り付けられることが多い料理です。

Mussels in White Wine

ムール貝を白ワイン、ニンニク、ハーブで蒸し煮にする料理。残ったスープをパンにつけて食べるのも楽しみです。

Pipi / Vongole Pasta

白ワイン、ニンニク、オリーブオイルを使ったパスタは、PipiやVongoleの旨味を味わいやすい料理です。

Abaloneのグリル・中華煮込み

アワビは高級シーフード店だけでなく、中華料理店でも見つかります。薄切りのグリルから丸ごとの煮込みまで、調理法によって食感が大きく変わります。

旬・出回る時期

オーストラリアの貝類には、日本のように「冬の牡蠣」「冬のカニ」と一言で言える全国共通の旬はありません。養殖品か天然物か、地域の水温、漁期によって変わります。

牡蠣

養殖牡蠣は年間を通して流通しています。季節だけでなく、産地、生産者、サイズ、身入りを見て選ぶ方が実用的です。

アワビ

商業漁は州・漁区ごとに漁獲枠と操業ルールが設定されるため、レストランの入荷状況は地域や時期で変わります。冷凍・加工品も広く流通しています。

スキャロップ

天然資源の状態に左右されやすく、漁期や開放区域は年ごとに変わります。タスマニアのレクリエーション漁も毎年期間が設定され、2026年は3月28日から7月31日まででした。

Pipi・Vongole

漁獲区域や資源管理、食品安全上の開閉があるため、旅行者は「旬」だけでなく、その時期に正規流通している地元産を選ぶのがおすすめです。

おいしい貝の選び方

旅行者がレストランで食べる場合、細かな見分け方を覚えるより、産地と当日のおすすめをスタッフに聞く方が確実です。

牡蠣は産地違いを食べ比べる

「Which oysters are local today?」と聞けば、その日の地元産を教えてもらえます。塩味が強いもの、クリーミーなもの、小ぶりで凝縮感のあるものなど、好みを伝えるのもおすすめです。

殻付き二枚貝は鮮度管理が重要

魚市場で買う場合は、しっかり冷蔵されている正規販売品を選びます。旅行中に長時間持ち歩くのは避け、購入後は早めに冷蔵してください。

アワビは活・冷凍・加工品で用途が違う

活アワビは刺身や短時間の加熱向き、冷凍品はグリルや蒸し料理、缶詰や乾燥品は中華煮込みなど、それぞれに適した食べ方があります。

生食・加熱で気を付けたいこと

牡蠣をはじめとする二枚貝は、海水を濾過しながら餌を取るため、周囲の水に含まれる細菌、ウイルス、藻類由来の自然毒などを蓄積する可能性があります。

市販品と野生採取品は同じではない

商業用の二枚貝は、認可された海域の水質や貝を監視するShellfish Quality Assurance Programなどの食品安全管理を経て流通します。一方、自分で海岸から採った貝には同じ保証がありません。

自然毒は加熱で安全になるとは限らない

藻類由来の貝毒には、通常の加熱では十分に除去できないものがあります。「よく火を通せば野生の貝でも大丈夫」と自己判断しないことが大切です。

体調が心配なら加熱料理を選ぶ

生牡蠣は人気がありますが、妊娠中、高齢者、免疫機能が低下している人などは、生食を避けるよう公的機関から案内されることがあります。旅行中に不安があれば加熱料理を選びましょう。

資源管理とサステナビリティ

「オーストラリア産ならすべて資源状態が同じ」というわけではありません。天然のアワビやスキャロップは地域ごとに別資源として評価され、漁獲量や漁場を調整しています。

アワビは漁区ごとに状態が異なる

Blacklip AbaloneとGreenlip Abaloneは複数州に分布し、管理区域ごとに資源状態が異なります。漁獲枠や最低サイズ、休漁区域などを組み合わせて管理されています。

Commercial Scallopも地域差が大きい

オーストラリアのCommercial Scallopは複数の資源・漁業単位で評価され、資源量の増減に応じて漁場開放や漁獲量が決まります。

養殖二枚貝は餌を外部から与えない

牡蠣やムール貝は海中の自然な餌を濾過して育つため、養殖魚のような配合飼料を基本的に必要としません。一方で、水質、病気、外来種、生態系への影響を管理しながら生産する必要があります。

採取ルールは州ごとに違う

旅行中に潮干狩り感覚で貝を採る場合、日本以上に「種類」「場所」「州」の確認が重要です。バッグリミット、最低サイズ、ライセンス、採取方法、禁漁区が州ごとに異なります。

アワビ・スキャロップは特に規則が厳しい

タスマニア州ではアワビやスキャロップのレクリエーション採取にライセンスが必要です。漁期や最低サイズも設定されています。

マリンパーク・保護区では採れないことがある

一般海域では採取可能な種類でも、Marine ParkやAquatic Reserveでは禁止されている場合があります。看板がないから採ってよいとは判断しないようにしてください。

空の貝殻にも場所によってルールがある

生きた貝ではなく空の貝殻でも、国立公園や保護地域では持ち出しが禁止されている場合があります。記念に拾う場合も現地ルールを確認しましょう。

旅行中に貝を採る場合

オーストラリアにはPipi採り、牡蠣採り、ムール貝採りなどを楽しむ地域がありますが、旅行者には漁業規則だけでなく食品安全の確認も必要です。

まず「採ってよいか」を確認

州政府の公式サイトやアプリで、対象種、場所、バッグリミット、最低サイズ、必要なライセンスを確認します。規則は変更されることがあります。

次に「食べてよいか」を確認

漁業法上は採取できても、公衆衛生上「食べないでください」という警告が出ていることがあります。2026年には南オーストラリア州やタスマニア州で、藻類由来毒素などを理由に野生採取した二枚貝への健康警告が出ています。

旅行者は商業流通品を選ぶのが無難

現地の海辺で採る体験そのものが目的でない限り、魚市場やレストランで正規に流通する貝を食べる方が手軽で安全です。

魚市場・レストランで貝を選ぶ

旅行中にオーストラリアらしい貝を食べたいなら、種類だけでなく産地を確認するのがおすすめです。

牡蠣は「Where are the oysters from?」

牡蠣の産地を聞くなら「Where are the oysters from?」で十分です。NSWならSydney Rock OysterかPacific Oysterかも聞いてみると、違いが分かりやすくなります。

Scallopは種類より産地を聞く

レストランでは単にScallopsとだけ書かれている場合が多いため、「Are these Australian scallops?」「Where are they from?」と聞けば、オーストラリア産かどうか確認できます。

Pipiは見つけたら試してみる

Pipiは日本人にとってオーストラリアらしさを感じやすい貝です。Pipi Pasta、Pipis in XO Sauceなど、メニューに名前が出ていたら候補に入れてみてください。

生牡蠣の価格は「each」と「dozen」に注意

牡蠣は1個(each)、半ダース(half dozen)、1ダース(dozen)で価格表示されます。高級店では産地ごとに1個ずつ注文できる場合もあります。

日本人が知っておきたい実用ポイント

日本とオーストラリアでは、貝の種類や表示、食べ方に少し違いがあります。

Pacific Oysterは日本のマガキと同種

オーストラリアでは外来種ですが、もともとは日本を含む北東アジア原産です。「海外の珍しい牡蠣」というより、日本と同じ種が南半球の海で養殖されていると考えると分かりやすいでしょう。

Sydney Rock Oysterはオーストラリアならでは

日本ではほとんど見かけないため、シドニーやニューサウスウェールズ州を旅行するなら一度は試したい牡蠣です。

Scallop=日本のホタテではない

オーストラリア産ScallopはCommercial ScallopやSaucer Scallopなどが中心で、日本で一般的なホタテガイとは別種です。

「Shellfish allergy」は甲殻類も含むことがある

英語でShellfish Allergyと言うと、牡蠣や貝だけでなくエビ・カニ類まで含めて受け取られることがあります。アレルギーがある場合は「I am allergic to oysters and mussels」のように具体的な食材名も伝えましょう。

野生貝の健康警告は旅行直前に再確認

2026年8月時点で、南オーストラリア州では藻類由来毒素の影響からレクリエーションで採った二枚貝やアワビを食べないよう案内が出ている地域・種があります。タスマニア州でも野生貝の健康警告区域があります。旅行中に採取する場合は必ず最新情報を確認してください。

真珠だけではない「Pearl Meat」

西オーストラリア州北西部、特にBroome周辺は南洋真珠の産地として有名です。使われるのはSilverlip Pearl Oyster(Pinctada maximaという大型の真珠貝です。

食べるのは貝柱の部分

真珠を育てた貝から取れる貝柱は「Pearl Meat」と呼ばれ、食用にもなります。量が限られるため一般的なムール貝や牡蠣ほど身近ではありませんが、西オーストラリア州らしい高級食材の一つです。

食感は歯応えがあり、甘みがある

薄切りの刺身風、軽いソテー、アジア風の炒め物などで使われます。Broomeやパースのレストランで見つけたら、真珠産業と食文化の両方を感じられる一皿です。

Pearl Oysterと普通のOysterは別物

名前にOysterと付きますが、食用のSydney Rock OysterやPacific Oysterとは別のグループです。Pearl Meatは主に真珠養殖の副産物として流通します。

オーストラリアで貝類を楽しむポイント:牡蠣は「種類+産地」、アワビはBlacklip/Greenlip、ホタテはAustralian Scallopかどうかを確認すると、その土地らしい一皿を選びやすくなります。海岸で自分で採った貝は、漁業ルールだけでなく最新の公衆衛生警告も必ず確認してください。

オーストラリアの貝類に関するよくある質問(FAQ)

オーストラリアで一番おすすめの牡蠣は何ですか?

旅行先によります。シドニーやニューサウスウェールズ州ならSydney Rock Oyster、南オーストラリア州ならCoffin BayなどのPacific Oyster、タスマニア州ならPacific Oysterや希少なAngasi Oysterが候補です。

Sydney Rock OysterとPacific Oysterは同じですか?

別種です。Sydney Rock Oysterはオーストラリア東岸の在来種、Pacific Oysterは日本を含む北東アジア原産で、オーストラリアには養殖目的で導入された種です。

Pacific Oysterは日本のマガキですか?

はい。同じ種です。学名はMagallana gigas(Crassostrea gigasの名も広く使われます)で、日本原産のマガキが世界各地の養殖に利用されています。

オーストラリアにはアワビがありますか?

あります。Blacklip AbaloneとGreenlip Abaloneが代表的で、タスマニア州、ビクトリア州、南オーストラリア州、西オーストラリア州など南部を中心に漁獲されています。

Australian Scallopは日本のホタテですか?

通常は別種です。タスマニアやバス海峡で代表的なCommercial ScallopはPecten fumatusで、日本で一般的なホタテガイとは異なります。

Pipiとはどんな貝ですか?

砂浜に生息する二枚貝で、南オーストラリア州ではGoolwa Cockleとも呼ばれます。日本のアサリとは別種ですが、白ワイン蒸しやパスタなど似た料理に使われます。

PipiとVongoleは同じ貝ですか?

同じではありません。南オーストラリア州のVongole FisheryではKatelysia属のMud Cockle 3種を漁獲しています。料理の使い方は似ていますが、Pipiとは別の貝です。

海岸で見つけた牡蠣やムール貝は食べても大丈夫ですか?

おすすめしません。採取自体の漁業規則に加え、野生の二枚貝には細菌や藻類由来毒素などのリスクがあります。各州の最新の健康警告を確認し、旅行者は正規に流通する商品を選ぶのが安心です。

Coffin Bay Oysterは何という種類ですか?

Coffin Bayでは主にPacific Oysterが養殖されています。Coffin Bayは品種名ではなく、南オーストラリア州エアー半島の有名な牡蠣産地の名前です。

オーストラリアのムール貝はどこが有名ですか?

南オーストラリア州ではLower Spencer Gulf、Port Lincoln周辺でBlue Musselが養殖されています。タスマニア州など南部沿岸にもBlue Musselが生息しています。

Pearl Meatとは何ですか?

真珠養殖に使われるSilverlip Pearl Oysterの貝柱部分です。西オーストラリア州北西部の真珠産業から生まれる希少な食材で、刺身風やソテーなどにして食べられます。

オーストラリアの貝類に関する参考情報

まとめ:オーストラリアでは、貝も「産地」で選ぶと旅がもっと面白くなる

オーストラリアの貝類は、地域によって主役がはっきり変わります。シドニーならSydney Rock Oyster、アデレードやエアー半島ならPacific Oyster、Pipi、Blue Mussel、タスマニアならScallopとBlacklip Abalone、西オーストラリア州ならGreenlip AbaloneやPearl Meatと、それぞれの土地に海の名物があります。

日本人にとって面白いのは、似ているようで少し違うところです。Pacific Oysterは日本のマガキと同種ですが、Sydney Rock Oysterは別種。Australian Scallopも日本の一般的なホタテガイとは違います。PipiやVongoleのように、日本ではあまり聞かない名前の貝もあります。

レストランでは、単に「Oyster」「Scallop」と見るだけでなく、種類と産地を確認してみてください。牡蠣なら産地違いを数種類注文して食べ比べるだけでも、オーストラリアの海の違いが分かります。

一方、旅行中に自分で貝を採る場合は、漁業規則だけでなく食品安全情報の確認が欠かせません。二枚貝は自然毒などを蓄積することがあり、採取可能でも食用には適さない期間・海域があります。

オーストラリア旅行でシーフードを食べる機会があれば、ロブスターやカニだけでなく、その土地で育った牡蠣、アワビ、ホタテ、ムール貝、Pipiにも目を向けてみてください。

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