オーストラリアの牛乳は種類が多い?Full Cream・Lite・A2などを解説
オーストラリアのスーパーで牛乳売場へ行くと、冷蔵ケースいっぱいに白いボトルが並び、初めて見ると「どれを買えばいいの?」と迷うかもしれません。
日本では「普通の牛乳」「低脂肪乳」くらいの感覚で選ぶことが多いですが、オーストラリアではフルクリーム、ライト、スキム、ラクトースフリー、A2タイプ、ロングライフなど、目的に応じてさまざまな商品が販売されています。
さらに、脂肪分だけでなく、乳糖を分解した牛乳、特定のたんぱく質を持つ牛から搾った牛乳、均質化していない牛乳などもあり、見た目が似ていても中身は少しずつ違います。
ただし、難しく考える必要はありません。日本で一般的な牛乳に近いものが欲しいなら、まず「Full Cream Milk」と書かれた商品を選べば分かりやすいでしょう。
オーストラリア・ニュージーランド食品基準では、一般的な牛乳として販売する商品には一定以上の乳脂肪分とたんぱく質が必要とされており、フルクリーム牛乳は通常3%台の脂肪分があります。
この記事では、日本からオーストラリアを訪れる旅行者向けに、スーパーで見かける牛乳の種類、フルクリーム・ライト・スキムの違い、A2タイプ、ラクトースフリー、ロングライフ牛乳、カフェでの注文方法まで詳しく紹介します。
- オーストラリアの牛乳はなぜ種類が多い?
- フルクリームミルクとは?
- ライト・低脂肪乳とは?
- スキムミルクとは?
- 脂肪分を比較すると?
- 低脂肪乳は水で薄めている?
- A2ミルクとは?
- A2とラクトースフリーは別物
- ラクトースフリーとは?
- ロングライフミルクとは?
- 冷蔵牛乳との違い
- 均質化された牛乳とは?
- 上にクリームが浮く牛乳もある
- オーガニック牛乳
- カルシウムを強化した牛乳
- 高たんぱくタイプ
- スーパーで見かけるブランド
- ポールズ
- a2ミルク
- スーパーの自社ブランド
- 1L・2L・3L、どの大きさを買う?
- カフェではどの牛乳を使う?
- スキムミルクで注文する方法
- オーツ・アーモンド・豆乳との違い
- 子供向けに選ぶ時の注意
- ホテルでの保存方法
- 賞味期限・消費期限の見方
- 牛乳売場で見る英語
- 旅行者向けの選び方
- よくある質問(FAQ)
オーストラリアの牛乳はなぜ種類が多い?


オーストラリアは酪農が盛んな国で、2024/25年度には約83億リットルの生乳が生産されました。
国内では飲用牛乳だけでなく、チーズ、バター、粉乳などさまざまな乳製品が造られています。
牛乳も、脂肪分、乳糖、たんぱく質の種類、保存方法などによって商品が分かれています。
スーパーでは大きく、
- フルクリーム
- 低脂肪
- スキム
- ラクトースフリー
- A2タイプ
- ロングライフ
- オーガニック
- カルシウム・たんぱく質などを強化した商品
などを見ることができます。
フルクリームミルクとは?
フルクリームミルク(Full Cream Milk)は、乳脂肪をしっかり残した一般的な牛乳です。
オーストラリア・ニュージーランド食品基準では、牛乳として販売する商品は、原則として乳脂肪分3.2%以上、たんぱく質3.0%以上である必要があります。
実際の商品は、乳脂肪分が3.4~3.6%前後のものが多く見られます。
味にコクがあり、そのまま飲む、シリアルへかける、紅茶やコーヒーへ入れる、料理に使うなど、最も幅広く利用できます。
「日本でいつも飲んでいる普通の牛乳に近いものを買いたい」という場合は、まずフルクリームを選ぶとよいでしょう。
ライト・低脂肪乳とは?
ライト(Lite / Light)や低脂肪(Low Fat / Reduced Fat)と書かれた牛乳は、フルクリームより乳脂肪を減らした商品です。
商品によって違いますが、脂肪分はおおむね1~2%程度です。
例えば、ポールズ(Pauls)の「スマーター・ホワイト(Smarter White)」は脂肪分2%、a2ミルクのライトは1.3%です。
フルクリームよりさっぱりしていますが、スキムほど軽くなく、味と脂肪分のバランスを取りたい人に選ばれています。
スキムミルクとは?
スキムミルク(Skim Milk)は、牛乳から乳脂肪をほとんど取り除いた牛乳です。
オーストラリア・ニュージーランド食品基準では、スキムミルクとして販売する商品は、乳脂肪分が0.15%以下である必要があります。
フルクリームと比べると口当たりが軽く、さっぱりしています。
カフェで「スキム・ラテ」と注文すると、通常のフルクリームではなくスキムミルクを使ったラテになります。
脂肪分を比較すると?
| 種類 | 乳脂肪分の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| フルクリーム | 約3.2~3.6%以上 | コクがあり、日本の一般的な牛乳に近い |
| ライト・低脂肪 | 約1~2% | ほどよく軽く、味も残る |
| スキム | 0.15%以下 | 脂肪分がほとんどなく、さっぱり |
同じブランドでも複数種類が並んでいるため、容器の色だけではなく商品名を確認してください。
低脂肪乳は水で薄めている?
低脂肪乳やスキムミルクは、フルクリーム牛乳へ水を加えて薄くしたものではありません。
牛乳に含まれるクリーム分を一部またはほとんど取り除いて、脂肪分を調整しています。
商品によっては、風味や栄養成分を整えるため乳成分を加えているものもあります。
「味が薄い=水で薄めている」という意味ではありません。
A2ミルクとは?
オーストラリアの牛乳売場で目立つ商品の一つがa2ミルク(a2 Milk)です。
これは脂肪分の違いではなく、牛乳に含まれるベータカゼインというたんぱく質の種類に注目した牛乳です。
一般的な牛乳には、A1タイプとA2タイプのベータカゼインが含まれています。
a2ミルクは、遺伝的にA2タイプのベータカゼインだけを作る牛を選び、その牛乳から商品を製造しています。
遺伝子組み換えによって牛乳を変えているのではなく、もともとA2タイプだけを作る牛を選んで飼育している仕組みです。
A2とラクトースフリーは別物
ここは間違えやすいところです。
A2ミルク=乳糖を含まない牛乳ではありません。
A2はたんぱく質の種類を表し、ラクトースは牛乳に含まれる糖分です。
通常のa2ミルクにはラクトースが含まれています。
一方、a2ミルクにも「ラクトースフリー」の商品があり、この場合はA2タイプのたんぱく質だけを含む牛乳に、さらに乳糖を分解する処理をしています。
ラクトースフリーとは?
ラクトースフリー(Lactose Free)は、乳糖を消化しにくい人向けの牛乳です。
乳糖は牛乳に自然に含まれる糖分で、通常は小腸でラクターゼという酵素によって分解されます。
ラクトースフリー牛乳では、製造時にラクターゼという酵素を加えて乳糖を分解しています。
例えばポールズのジミル(Zymil)は、通常の牛乳にラクターゼを加えた商品です。
牛乳そのものを使っているため、牛乳アレルギーの人向けの商品ではありません。
乳糖不耐症と牛乳アレルギーは別のものなので、アレルギーがある場合は自己判断でラクトースフリー牛乳へ切り替えないようにしてください。
ロングライフミルクとは?
ロングライフミルク(Long Life Milk)は、超高温で短時間加熱するUHT処理を行った牛乳です。
殺菌後に無菌状態で密封するため、未開封なら常温で長期間保存できます。
保存料を加えることで長持ちさせているわけではありません。
スーパーでは冷蔵ケースではなく、飲料や保存食品の棚に置かれていることがあります。
冷蔵庫の小さいホテルやサービスアパートメントで、予備の牛乳を買っておきたい時にも便利です。
冷蔵牛乳との違い
一般的な冷蔵牛乳も加熱殺菌されていますが、ロングライフ牛乳はさらに高い温度で短時間処理されます。
そのため、ロングライフ牛乳には独特の少し加熱されたような風味を感じる人もいます。
栄養面では、どちらもたんぱく質やカルシウムを含む牛乳です。
開封後はロングライフ牛乳も冷蔵し、パッケージに記載された期間内に飲み切ってください。
均質化された牛乳とは?
スーパーの牛乳にはHomogenisedと書かれていることがあります。
これは、牛乳に含まれる脂肪の粒を細かくし、牛乳全体へ均一に分散させる処理を行ったという意味です。
通常の状態では、時間がたつと脂肪分が表面へ浮いてクリームの層ができます。
均質化することで、どこを注いでもほぼ同じ濃さになります。
現在オーストラリアのスーパーで販売されている一般的な牛乳の多くは均質化されています。
上にクリームが浮く牛乳もある
一方、小規模な乳業会社や一部の高級商品では、均質化していない牛乳も販売されています。
「Unhomogenised」「Cream on Top」などと書かれた商品です。
牛乳の上に自然にクリームの層ができるため、飲む前に軽く振る商品もあります。
濃厚な口当たりが好きな人には面白い選択肢です。
オーガニック牛乳
スーパーや自然食品店ではオーガニック牛乳も販売されています。
通常の牛乳より価格は高めですが、有機農法の基準に沿って生産された牛乳を選びたい人向けです。
「Organic」と書かれていることと、フルクリーム・低脂肪・均質化の有無は別の話なので、商品表示を確認してください。
オーガニックのフルクリーム牛乳や、均質化していないオーガニック牛乳など、複数の組み合わせがあります。
カルシウムを強化した牛乳
オーストラリアでは、通常の牛乳よりカルシウム量を増やした商品も販売されています。
乳由来のカルシウムなどを加え、1杯あたりのカルシウム量を増やした商品です。
パッケージには「High Calcium」などと表示されます。
旅行者が短期間飲むために特別に選ぶ必要はありませんが、スーパーで普通の牛乳より値段が高い商品を見つけた時には、こうした栄養強化タイプの場合があります。
高たんぱくタイプ
近年は、運動やたんぱく質摂取を意識する人向けに高たんぱくタイプの牛乳も増えています。
通常の牛乳よりたんぱく質量を高めた商品で、「High Protein」などと表示されます。
一般的な牛乳とは栄養成分が異なるため、購入する場合はパッケージの成分表示を確認しましょう。
スーパーで見かけるブランド
牛乳は州や地域によって流通しているブランドが異なります。
全国規模で販売されるブランドのほか、地域の乳業会社の商品、スーパーの自社ブランドなどがあります。
旅行者がブランドにこだわる必要はありません。まず種類と脂肪分を確認し、その上で価格や容量を比較すると選びやすくなります。
ポールズ
ポールズ(Pauls)は、オーストラリア各地で販売されている牛乳ブランドです。
フルクリーム、低脂肪、スキムのほか、ラクトースフリーのジミル、高カルシウム、高たんぱくタイプなど幅広い商品があります。
州によって取り扱う商品や容器の大きさが異なります。
a2ミルク
a2ミルク(a2 Milk)も、オーストラリアのスーパーでよく見かけます。
フルクリーム、ライト、無脂肪、ラクトースフリー、ロングライフなど複数の商品があります。
「A2だから低脂肪」というわけではなく、A2はたんぱく質の種類、フルクリームやライトは脂肪分の違いです。
そのため「A2フルクリーム」「A2ライト」のように組み合わせた商品があります。
スーパーの自社ブランド
ウールワース(Woolworths)やコールズ(Coles)では、自社ブランドの牛乳も販売しています。
一般的なフルクリーム、低脂肪、スキムなどは、大手乳業ブランドより安いことがあります。
短期旅行中にシリアルやコーヒー用として使うだけなら、こうした商品でも十分です。
「高い牛乳の方が必ず品質がよい」と単純に考える必要はありません。
1L・2L・3L、どの大きさを買う?
オーストラリアの牛乳は、1L、2L、3Lなど大きな容器で売られています。
家庭向けには2Lや3Lが一般的ですが、旅行者には大きすぎることがあります。
ホテル滞在で朝のコーヒーやシリアルに少し使うだけなら、1L程度が扱いやすいでしょう。
サービスアパートメントで数日間料理をする場合は、2Lでも使い切れることがあります。
大容量の方が1Lあたりの価格が安くても、余らせてしまえば意味がありません。
カフェではどの牛乳を使う?
オーストラリアのカフェでラテ、フラットホワイト、カプチーノなどを注文すると、特に指定しなければ一般的なフルクリーム牛乳を使う店が多くあります。
ただし、店によって標準の牛乳は異なります。
現在は、
- フルクリーム
- スキム
- ラクトースフリー
- オーツ
- アーモンド
- 豆乳
などから選べるカフェが多くあります。
植物由来の飲料への変更は、追加料金がかかる場合があります。
スキムミルクで注文する方法
脂肪分の少ない牛乳でラテを飲みたい場合は、
Can I have a skim latte, please?
「スキムミルクのラテをお願いします」
と言えば通じます。
ラクトースフリーなら、
Can I have a latte with lactose-free milk, please?
と注文できます。
オーツ・アーモンド・豆乳との違い
スーパーの冷蔵ケースでは、牛乳の隣にオーツ飲料、アーモンド飲料、豆乳などが並んでいます。
日常会話では「オーツミルク」「アーモンドミルク」と呼ばれますが、牛から搾った牛乳ではありません。
原料、たんぱく質、脂肪、カルシウムなどの量も商品によって違います。
乳製品を避けたい人には選択肢になりますが、牛乳と同じ栄養成分とは限らないため、長期的に置き換える場合は商品表示を確認しましょう。
子供向けに選ぶ時の注意
脂肪分の低い牛乳は、すべての年齢の子供に同じように適しているわけではありません。
商品によっては、2歳未満の子供の完全な牛乳食品としては適さない旨が表示されています。
また、牛乳を乳児の主な飲み物として与える時期についても年齢上の注意があります。
乳幼児向けの牛乳選びは、旅行中であっても自己判断せず、普段の食事方針や医療専門家の助言を優先してください。
ホテルでの保存方法
冷蔵売場で購入した牛乳は、購入後できるだけ早く冷蔵庫へ入れます。
ホテル客室の小型冷蔵庫は、家庭用冷蔵庫より冷え方が弱い場合があります。
特に夏は、牛乳を室温に長時間置かないようにしましょう。
冷蔵庫がない部屋なら、未開封を常温保存できるロングライフ牛乳の方が使いやすい場合があります。
賞味期限・消費期限の見方
冷蔵牛乳には、パッケージ上部や側面に「Use By」の日付が印字されています。
「Use By」は安全に食べたり飲んだりできる期限を示す表示なので、期限を過ぎた商品は飲まないようにします。
ロングライフ牛乳には「Best Before」が使われることがあります。
購入時には、旅行中に飲み切れる日付か確認してください。
牛乳売場で見る英語
| 英語 | 意味 |
|---|---|
| Full Cream Milk | 乳脂肪をしっかり残した一般的な牛乳 |
| Lite / Light Milk | 脂肪分を減らした牛乳 |
| Low Fat Milk | 低脂肪乳 |
| Reduced Fat Milk | 脂肪分を減らした牛乳 |
| Skim Milk | 乳脂肪をほとんど取り除いた牛乳 |
| No Fat / Fat Free | 無脂肪タイプ |
| Lactose Free | 乳糖を分解した牛乳 |
| A2 Protein | A2タイプのベータカゼイン |
| Long Life Milk | 常温で長期保存できる牛乳 |
| UHT | 超高温短時間処理 |
| Homogenised | 脂肪分を均一に分散させた牛乳 |
| Unhomogenised | 均質化していない牛乳 |
| Cream on Top | 表面にクリーム層ができるタイプ |
| Organic | 有機基準に沿って生産された商品 |
| High Calcium | カルシウムを強化した商品 |
| High Protein | たんぱく質を増やした商品 |
旅行者向けの選び方
- 日本の一般的な牛乳に近いものならフルクリームを選ぶ
- 脂肪分を控えたいならライト・低脂肪を選ぶ
- さらに脂肪分を減らしたいならスキムを選ぶ
- 乳糖が気になる場合はラクトースフリーを確認する
- A2とラクトースフリーは別物だと理解する
- 冷蔵庫がない場合はロングライフ牛乳が便利
- ホテル滞在なら大容量を買いすぎない
- カフェではスキム、ラクトースフリーなどを指定できる
- 植物由来の飲料は牛乳とは栄養成分が異なる
- 購入時に「Use By」の日付を確認する
オーストラリアの牛乳売場は種類が多く、最初は少し複雑に見えます。
しかし、基本はそれほど難しくありません。
普通の牛乳ならフルクリーム、脂肪分を減らしたいならライト、ほとんど脂肪を含まないものならスキムと覚えておけば、ほとんどの買い物には困らないでしょう。
そこへ、乳糖を分解したラクトースフリー、たんぱく質の種類に注目したA2タイプ、常温保存できるロングライフなど、必要に応じて選択肢を増やしていけば十分です。
スーパーで牛乳の棚を見比べてみると、オーストラリアの酪農の豊かさだけでなく、食生活の多様さも感じられるでしょう。
オーストラリアの牛乳に関するよくある質問(FAQ)
「Full Cream Milk」と書かれた商品が分かりやすいでしょう。乳脂肪分が3%台のものが多く、コクのある一般的な牛乳です。
フルクリームより脂肪分を減らした牛乳です。商品によって異なりますが、1~2%程度の乳脂肪分の商品が多く見られます。
乳脂肪をほとんど取り除いた牛乳です。食品基準では、スキムミルクは乳脂肪分0.15%以下と定められています。
いいえ。A2は牛乳に含まれるベータカゼインというたんぱく質の種類を表しています。A2タイプにもフルクリーム、ライト、無脂肪などの商品があります。
通常のA2ミルクには乳糖が含まれています。A2とラクトースフリーは別の特徴です。A2タイプで、なおかつラクトースフリーの商品も販売されています。
牛乳を原料とし、ラクターゼという酵素を加えて乳糖を分解した商品が一般的です。牛乳アレルギー向けの商品ではありません。
一般的なロングライフ牛乳は、超高温で短時間殺菌し、無菌状態で密封することで長期保存できるようにしています。長期保存のために保存料を加える必要はありません。
いいえ。乳脂肪の一部を取り除いて脂肪分を下げています。水を加えて薄めた牛乳という意味ではありません。
はい。スキムミルクを使いたい場合は「skim latte」「skim flat white」などと注文できます。ラクトースフリーや植物由来の飲料を選べるカフェも多くあります。
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